病気・未病

動脈硬化発生のメカニズムや改善方法は?生活習慣を見直そう!

動脈硬化は誰にでも起こる可能性があるもので、時には怖い病気の引き金になる場合もあります。

今回は動脈硬化発生のメカニズムや改善方法を見ていきます。

別名「サイレントキラー」動脈硬化とは?

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動脈硬化とは、動脈が硬くなったり狭くなったりすることで、血液の流れが悪くなる状態のことを言います。

自覚症状がなく静かに忍び寄り、時には死に至る病気も引き起こすので「サイレントキラー」とも呼ばれています。

本来私たちの血管は弾力があり、ゴムのようにしなやかさがあります。

以前までは老化に伴って血管がもろくなり、動脈硬化が起こるといわれていましたが、近年では加齢のほかにもう一つ「生活習慣」や「生活習慣病」から動脈硬化が起こることも非常に多くなりました。

動脈硬化は、高血圧や脂質異常症、糖尿病、肥満、喫煙、ストレスから進行することが分かっています。

ちなみに、高血圧や脂質異常症、糖尿病など動脈硬化を引き起こす原因になるものを「危険因子」と呼んでいます。

動脈硬化の危険因子については、こちらのページも参考にどうぞ。

動脈硬化のメカニズムの前に・・・血管の構造を知る!

動脈硬化のメカニズムを知る前に、血管の構造について書いていきます。

動脈は

・外膜
・中膜
・内膜

と3つの構造から成り立っています。

さらに、内膜の上には内皮細胞というものがあり、内膜を覆っています。

内皮細胞には、血液が固まるのを防いだり、血管を広げるというように、動脈硬化を防ぐ働きがあります。

これらを踏まえてメカニズムを見ていきましょう。

動脈硬化が起こるメカニズム

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では動脈硬化はどのようにして起こるのか、そのメカニズムを見ていきましょう!

①内皮細胞が傷つく

高血圧や糖尿病、肥満やストレスは血管に負荷がかかります。

血管に負荷がかかると、血管の内皮細胞傷つき、内皮細胞は動脈硬化を防ぐ機能を失います。

②内膜に悪玉コレステロールが入り込む

内皮細胞が動脈硬化を防ぐ働きを失うと、内膜にLDL(悪玉)が入り込み、酸化し酸化LDLに変化します。

この酸化LDLを処理しようと、白血球の一種である単球も内膜に入り、マクロファージという物質に変化します。

③プラークの発生

マクロファージは、酸化LDLコレステロールを取り込む役目を終えると死んでしまいます。

その結果、内膜にLDLに含まれていたコレステロールや脂肪が溜まった「プラーク」が出来ます。

プラークが出来た後、内膜はどんどん厚くなっていきます。

ちなみに、このプラークが出来た状態をアテローム動脈硬化といいます。

プラークが出来ると、血流が悪くなり、血管が少しでも収縮すると血流が途絶えてしまいます。

これが動脈硬化のメカニズムになります。

ちなみに動脈硬化は、次の3つに分類することが出来ます。

①アテローム動脈硬化

比較的太い血管(冠動脈・大動脈・脳動脈)に起こる動脈硬化で、コレステロールからなるドロドロとした粥状物質(アテローム)が溜まり起こる動脈硬化です。

②中膜硬化

動脈の中に石灰質が溜まって骨化する動脈硬化です。

中膜が壊れやすく、血管壁が破れることがあります。

③細動脈硬化

細い動脈が動脈硬化を引き起こして起こります。

この3種類については、それぞれ詳しく書いてある記事があるので参考にして下さいね。

動脈硬化は死を招く!

動脈硬化は「自覚症状」がありません

そのため血液検査では異常値が出ていても、自覚症状がないため大抵の方が放置してしまいがちです。

ですが、動脈硬化を放置すると死に至る病気を引き起こす可能性があります。

ここでは動脈硬化が招く3つの病気を紹介していきます。

①脳梗塞

脳にある動脈の硬化が進んで、プラークが破れ血栓が出来たり、心臓で出来た血栓が脳に流れて血管が詰まることで起こる病気です。

脳の血管が詰まるので、その先の細胞に血液や栄養が行かないので脳の一部が壊死してしまいます。

ある日突然、片足手足の麻痺が起こったり、会話がしにくくなるという症状が起こります。

突然意識がなくなって倒れることもあり、そのままに死に至ること、後遺症が残ることがあります。

②心筋梗塞・狭心症

心臓へ血液を送る動脈のことを冠動脈と言い、この冠動脈が動脈硬化を起こしたり、血管の一部が狭くなることで起こるのが心筋梗塞と狭心症です。

日本人の死亡原因第2位になっていて、非常に身近な病気です。

いきなり胸に強い痛みを感じたり、呼吸困難になることがあります。

発作が起きると1分1秒も無駄にできず、早急に適切な措置が行われなければ死に至ります。

③閉鎖性動脈硬化症

足の動脈に動脈硬化が起こり、血液の流れが悪くなります。

最初は少し歩くと痛みを感じ、それが酷くなると痛みが強くなり歩けなくなり、しばらく休むと歩くことが出来ます。

さらに悪化すると、足の傷や圧迫される部分に潰瘍ができ、そのまま足を切断しなかければならないことがあります。

上記で動脈硬化のメカニズムを見てきましたが、③のあと、プラークが破れ、そこに血の塊(血の固まり)が出来て、血流が完全に遮断されると、上記のように心筋梗塞や脳梗塞が起こります。

動脈硬化の改善方法とは?

では最後は動脈硬化の改善方法について書いていきます。
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①薬物療法

すでに脳梗塞を起こしていたり、生活習慣を改善しても症状の変化が見られない場合は、薬を服用をする場合があります。

このとき飲む薬は、血液をサラサラにするもの、血管を広げるものを使用します。

さらに動脈硬化を促進する、脂質異常症や高血圧などその病気を治療するための薬を服用し数値をコントロールすることもあります。

②内管内療法

狭くなっている血管にカテーテルを挿入して、バルーンを使って膨らませ、血流を再開させる方法です。

短時間で体に負担も少ない処置になります。

③外科的治療

有名なのが、バイパス手術で、病変が起きているところに新しい血管の流れを作る手術になります。

迂回路を作るのでバイパス手術とも呼ばれています。

④生活習慣の改善

動脈硬化の改善として、まずは生活習慣を見直すことから始めるのが大切です。

以下の点に注意してみましょう。

1.食事内容を改善

高血圧や脂質異常症・肥満は、食べ物の質や量で発生します。

動物性脂肪が多いものやカロリーが高いもの、食べ過ぎていませんか?

動脈硬化の予防には、「和食」がおすすめで、その中でも食物繊維とDHA・EPAが配合さている食材を摂取するといい言われています。

食物繊維は不溶性と水溶性があり、不溶性のものは満腹感を感じることが出来るので、食べ過ぎを防ぐことが出来、水溶性のものは腸内でコレステロールの吸収を抑えます。

不溶性を多く含む食材はキノコや野菜、水溶性のものは海藻類やこんにゃくに多く含まれています。

また青魚(さんま、さば、イワシ)に含まれているDHA・EPAには、中性脂肪を減らし、血栓を出来にくくする作用と、血液をサラサラにしてくれる効果があります。

そして調理する味付けは「減塩」を心がけましょう。

塩分が高い食事は高血圧の原因になります!

2.運動

生活習慣病が増えている原因に「運動不足」が挙げられます。

軽い有酸素運動は、HDL(善玉)コレステロールを増やし、中性脂肪を減らします。

そのため、脂質異常や高血圧にも効果があり、結果的に動脈硬化の改善にも繋がります。

初めは週3回、30分以上の軽く汗ばむ運動から始めましょう。

しかし、ここで注意してほしいのは、運動療法をするときは必ず医師の診察を受け、医師の指示通りの運動を行いましょう。

自己判断で始めてしまうと、血圧が上がってしまったり、ケガの原因になります。

3.喫煙

たばこを吸うと体に様々な害が生じます。

喫煙は脂質異常症を悪化させたり、血圧が高くなるなど動脈硬化の促進に直結します。

喫煙する方は喫煙しない方に比べて、冠動脈疾患の危険性が2倍になるというデータもあります。

さらに禁煙すると動脈硬化によって起こる死亡率が、38~60%減少するともいわれています!

タバコは体に害でしかなく、血液をドロドロにして動脈硬化も促進させるので、ぜひ禁煙して下さい。
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動脈硬化のメカニズムまとめ

動脈硬化は、内皮細胞が傷つくことで起こることがわかりました。

そしてこの内皮細胞が傷つく原因には、高血圧や脂質異常症、肥満、禁煙など日々の生活習慣や病気が関わっていましたね。

動脈硬化は最悪の場合、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こし命を落とすこともあります。

これから何年も元気でいるためにも、今から生活習慣をしっかり見直し改善していきましょう。

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記事執筆・監修

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漢方生薬 研究所

漢方生薬研究所のスタッフによる執筆・監修記事です。漢方をはじめ、第二類医薬品や第三類薬品、健康食品、サプリメント情報を配信しています。

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