漢方薬・生薬

四物湯(シモツトウ)は女性の生理の味方、飲むと太る?

四物湯は女性によく処方される漢方ですが、飲むと太るということを聞いたことがありますか?

今回は四物湯の効果の中でも生理になぜ効果があるのか、さらに本当に太るのかどうかについて書いてきます。
ぜひ読んでみて下さいね。

知っておこう、漢方のこと

漢方薬研

漢方では体を構成しているものは、「気・血・水」と表され、これら3つがバランスを保ち「中庸」していることが健康であると言われています。

この気・血・水の流れが一つでも、多かったり、不足していたり、滞っていてバランスが崩れると、体に様々な不調が起こり、漢方は流れを整えるために使用されます。

漢方で、気・血・水が足りないことを「血虚(けっきょ)」といい、血虚は3パターンに分かれます。

①血虚

血虚は漢字でわかる通り、血液など栄養分が足りなくなることをいいます。血虚になると肌に潤いがなくなる、爪が割れやすい、薄毛や貧血を引き起こします。

また女性の生理不順や月経異常といったことも引き起こします。血液を作るもとになる胃腸機能が低下していることも考えられます。

②気虚

気虚は、体の気、生命のエネルギーが不足していることをいいます。
ストレスなどが原因で上げられ、免疫力が落ちる、消化機能が低下する、疲れやすいなどの症状が現れます。

③陰虚

陰虚は体の「」の部分が異常が起こっている状態で、水は涙・胃液・リンパ液・汗など体内の水分のことを言います。
のぼせやすい、ほてり、汗をかきやすいという症状が現れます。

今回紹介する四物湯は「血虚」に足して処方される漢方です。
まずはこの基礎を覚えておきましょう。

四物湯の効果や効能

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四物湯は、血液の巡りを改善し、体を温める作用や、皮膚の乾燥を改善してホルモンバランスを整える効果があります。

女性向けの漢方で、
冷え性があり、顔色が悪く、皮膚や唇がかさつく人」に適している漢方です。

四物湯は

  • 生理不順
  • 産後の疲労回復
  • 冷え性
  • しもやけ
  • しみ
  • 貧血症状
  • 更年期
  • 生理痛

効果がある漢方です。

とくに生理不順月経異常などの血の道症(女性ホルモンが乱れで起こる体と心の症状)の改善によく処方されます。

さらに、皮膚の乾燥にも効果があるという点から、しもやけシミに作用します。

四物湯に配合されている生薬とは?

生薬一覧
ここでは四物湯に配合されている生薬について見ていきましょう。

①当帰(とうき)

セリ科トウキ属植物の根を乾燥させたもので、国内では和歌山を中心に栽培されています。血の循環を活性化する作用があり、鎮痛、鎮静、強壮に効果あります。

  • 冷え性
  • 更年期障害
  • 産前、産後の障害
  • 貧血症

に効果を発揮します。

②川芎(せんきゅう)

セリ科センキュウのひげ根を除いた根菊を、湯通ししたあと乾燥させたもので、日本でも生息していて、日本で使用されるもの全て国内で栽培されたものを使用しています。体の血行を促進させ、血液を元気にする作用があります。
鎮静、鎮痛、補血効果強壮にも効果があります。

  • 貧血症
  • 冷え性
  • 産前産後の障害
  • 生理痛
  • 胃腸機能の衰弱

などに効果があります。

③芍薬(しゃくやく)

ボタン科シャクヤクの根を乾燥したもので、奈良県や北海道、長野県でもわずかに栽培されています。筋肉の痙攣を緩和させ、血管の動きを潤滑にする作用に優れています。
鎮痛、鎮痙、収斂、緩和作用に効果があります。
体力減退時の

  • 冷え性
  • 貧血
  • 産前産後の諸病
  • 夫人の更年期障害
  • 生理不順
  • 月経異常

に効果があります。

④地黄(じおう)

ゴマノハグサ科ジオウ属植物の根茎を乾燥させたもので、生のままを「鮮地黄」、乾燥させたものを「乾地黄」、蒸してから乾燥したものを「熟地黄」といいます。日本でも奈良県でわずかに栽培されています。
血液中の熱を除去したり、血を補う効果があり、止血強壮、補血、滋潤効果があります。

→以上が配合されている生薬で、これらが生理不順月経異常にどのように効果を発揮するかというと、当帰・川芎・地黄の血の巡りを改善する生薬が体の血行を良くすると同時に、体内の水分を保持します。

さらに、芍薬が筋肉の緊張を緩め、月経痛の痛みを和らげる効果があります。

四物湯を飲む=太るは勘違い

よく女性に効果のある漢方を服用すると、太ったと感じる方が多く、もしかして副作用かも・・と服用を辞めてしまう方がいます。

しかし、それは体にとっていいことなのです。

なぜかというと、血虚タイプは

  • 胃腸機能が低下している
  • 肌が乾燥している

という特徴を上で書いたのを覚えていますか?

四物湯などの血虚に対する漢方を服用すると、体の血液の巡りが良くなり体質が改善されていきます。
体質が改善されると胃腸機能が正常になったり、肌の乾燥が改善します。

するとどうなるかというと、胃腸の調子が戻ることで、食べられなかったものが食べれるようになり、体の栄養の吸収事態もよくなります。
さらに、乾燥が改善されると肌のツヤが良くなり、ふっくらとした、ふくよかな顔つきにみられるのです。

そこで太ったと勘違いする方も多いですが、実は体質が改善され、体が本来の状態にもどったという証拠なので実は良いことなのです。
胃腸の調子が良くなれば食欲が自然と湧いてきますよね?

四物湯を飲んだら太るではなく、健康になっている証で、副作用ではないので安心して服用を続けて下さいね。

四物湯の服用方法、妊娠中でも飲めるのか

妊婦
四物湯はほかの漢方と同様に、食前食間に服用します。

成人なら1日7.5g2~3回に分割して、食前または食間に口から服用します。漢方の量に関しては、年齢や体重、症状によって増減されるので、医師の指示に従って服用しましょう。

そして四物湯は妊娠中でも飲める漢方として有名です。

特に妊娠中の血が不足していて、血虚状態の貧血症状があるときに四物湯や当帰芍薬散が処方されているようです。

しかし、妊娠中で飲めるからといって、自己判断で薬局などで購入して服用するのは大変危険です。

妊娠中だからこそ、自分の体調がどのような状態にあるのか医師にしっかり伝え、自分の体調や、体重、症状、に合わせた漢方や、漢方の量を処方してもらうことが出来ます。

自分では四物湯とは思っていても、実は違う漢方の方が効果があるなど、実際に医師の診察を受けてから服用するようにして下さい。

自己判断で服用して万が一何かあった場合、自分を責めてしまいます。

妊娠中は特にナーバスになりちょっとしたことでも気になるものです。自己判断はせず必ず分娩する病院の医師に従って下さい。

四物湯に副作用はあるのか?

四物湯は妊娠中や授乳中にも処方される漢方なので、副作用もほとんどないと言われています。しかし、完全に副作用がないわけではなく、服用している最中に以下のような症状があった場合は、医師に必ず相談しましょう。

  • 食欲不振
  • 胃部不快感
  • 悪心
  • 嘔吐
  • 下痢

本当に稀ですが、これらの副作用が報告されています。さらにこのほかにも服用していて、体がおかしいなと思ったら、受診してください。
しかし、過度に心配する必要はありません。

まとめ

今回は四物湯が生理になぜ効果があるのか、さらに服用すると本当に太るのかについて書いてきました。

四物湯は、血液のめぐりを良くして生理や月経異常に効果があるということ、服用して太ったと感じるのは、体質が改善され栄養の吸収がよくなり、肌にツヤが戻ったため太ったと思われるが、体にとってはいいこと、ということがわかりました。

妊娠中でも処方される漢方なので、安心して服用することが出来ますが、万が一何か体に異常が起きた場合には、すぐ病院を受診して下さいね。

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記事執筆・監修

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漢方生薬 研究所

漢方生薬研究所のスタッフによる執筆・監修記事です。漢方をはじめ、第二類医薬品や第三類薬品、健康食品、サプリメント、遺伝子検査の情報を配信しています。

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