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冬は『腎』の季節~漢方相談薬局便り~

東洋医学でいう『腎』とは?

東洋医学では、身体の機能を肝、心、脾、肺、腎の五臓に分けていますが、冬は五臓の中の、『腎』の影響を受けやすい季節です。
西洋医学と違い、『腎』とは腎臓だけを指すのではなく、泌尿器系、内分泌系、生殖器系も含まれます。
『腎』は生まれ持ったエネルギー(先天の気)を司り、『腎』の精気は生命活動の基本物質です。
そのため、生命にとって非常に重要で、人の成長、発育、生殖に大きく関与します。

『腎』が関与!?人の成長と老化

中国最古の医学書と言われる黄帝内経の中では、人の一生における変化が書かれています。
女性は7の倍数の年齢で身体が変化する、男性は8の倍数の年齢で身体が変化するという有名な一節があります。
みなさまもどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。
おもに成長と老化について書かれていますが、これは『腎』による変化です。

【黄帝内経における女性の身体の変化】
7歳:永久歯に生え変わる。
14歳:初潮を迎える。
21歳:女性としての身体ができあがる。
28歳:女性として身体が充実する。
35歳:容姿が衰え始める。
42歳:白髪が目立ち始める。
49歳:閉経を迎える。

【黄帝内経における男性の身体の変化】
8歳:永久歯に生え変わる。
16歳:精通を迎える。
24歳:男性としての身体ができ上がる。
32歳:男性として身体が充実する。
40歳:容姿が衰え始める。
48歳:白髪が目立ち始める。
56歳:生殖能力が衰える。

冬にトイレが近くなるのも『腎』と深く関係が…

『腎』は水を司ります。
冬になると、トイレが近くなったり、夜中のトイレの回数が多くなる方は、『腎』が影響を受けているかもしれません。
冷えるとトイレが近くなるのは想像しやすいですが、冷えがなく、ほてりがあるような場合、中医学では『腎陰虚(じんいんきょ)』という状態が疑われます。
また、子供がおねしょをした時、怒ってしまうと余計にひどくなることがあります。
これはわざとではなく、怒られたことで、恐れを強く感じ、その感情によって『腎』をさらに損傷してしまうことで起こります。

人が影響される原因は様々

東洋医学では、人は季節にも感情にも、自然に影響されるものなのです。
『腎』の影響が表れる身体の部分には、髪、骨、耳、大小便出口があります。
年齢を重ねると現れる、いわゆる老化現象の代表的な症状には、白髪、髪が薄くなる、骨粗しょう症、耳が遠くなる、頻尿、尿漏れ、生殖能力の低下、便秘などがあげられますが、すべて『腎』に関連するところに現れていると思いませんか?
漢方的には、腎の衰え、腎虚により起こってくると言われています。

『腎』を消耗しないようにするには?冬の養生

冬の養生としては、生命を維持するため、体温を保つにもエネルギーが必要です。
まずは『腎』が消耗しないよう、早寝、遅起きでいつもより睡眠を取ることをおすすめします。
それでは治らない方、急に症状がひどくなっている方や、年齢と比較して気になる症状が多い方は、いつまでも元気で若々しく過ごせるように、生命の根本である大切な『腎』の漢方的ケアを考えてみてはいかがでしょうか。
ご相談お待ちしております。

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記事執筆・監修

国際中医師(国際中医専門員) 漢方薬・生薬認定薬剤師 

植野典子

<セラピア薬局薬剤師>
セラピア薬局は東京、池袋にある漢方相談、保険調剤を行う薬局です。自然の生薬を扱い、セラピアの名前のように、癒しになれるように関わりたいと思っています。

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