漢方薬・生薬

加味帰脾湯の効果効能とは?その特徴や副作用とあわせて解説

加味帰脾湯(カミキヒトウ)は、貧血はじめ不眠症や神経症といった、比較的精神的に悩みを抱えている方におすすめできる漢方薬です。

ここでは、そんな加味帰脾湯の特徴や副作用について紹介。

貧血・不安・不眠の解消を期待できる食品も掲載しています。

加味帰脾湯の効果効能

お腹の調子

加味帰脾湯(かみきひとう)は、あまり体力がなく心身が疲れていて、血色が悪い方々の貧血・不眠症・神経症を改善する効果を期待できる漢方薬です。

寝汗・微熱・熱感があることでより効果的に作用するとされています。

加味帰脾湯の配合生薬は下記のとおりです。

オウギ・・・発汗異常や浮腫の改善を期待できる
サイコ・・・解熱・解毒・鎮痛・鎮静などへ効果を期待できる
サンソウニン・・・胸部が圧迫されて睡眠できないなどに使用する
ソウジュツ・・・水分代謝を活発にして利尿・発汗作用を促す
ニンジン・・・新陳代謝を促して胃の衰弱を改善する
ブクリョウ・・・病後の体力増強に役立ち、ミネラルの排出量が促進される
オンジ・・・精神を安定させる効果を期待できる
サンシシ・・・イライラや不眠症などに使用される
タイソウ・・・体を温めて緊張を緩和させる効果がある
トウキ・・・血流の循環を活発化させる
カンゾウ・・・鎮痛・珍系・鎮咳などへ効果を期待できる
ショウキョウ・・・新陳代謝を高める作用を有している
モッコウ・・・嘔吐や下痢など消化不良を助ける
リュウガンニク・・・貧血症や健忘症に効果がある

加味帰脾湯は自律神経に効果がある?

加味帰脾湯には、気持ちを緩やかにして精神を安定させる作用の生薬が含有されているので自律神経への効果は期待することができます。

不足している「血(けつ)」を増やして不眠症を改善する効果もあるので、自律神経から来る不眠症で悩んでいる方におすすめできる漢方薬です。

加味帰脾湯の副作用

人によっては使用後に副作用の可能性がある症状があらわれることがあります。

その場合は直ちに使用を中止して医師、薬剤師または登録販売者へ相談してください。

該当する部位と、発症する症状は下記のとおりです。

皮膚・・・発疹・発赤、かゆみ

加味帰脾湯は飲み合わせに注意が必要

漢方薬
甘草を多く含む漢方薬に注意しましょう。

また、甘草に含まれるグリチルリチン配合の薬も似た副作用を起こすので、ほかの薬を購入するときは必ずこれらの成分が含まれていないか確認してください。

より効能を発揮するには食事が大切

加味帰脾湯は効果的な漢方薬ですが、こればかりに頼らずに食事には工夫を行うようにしましょう。

不安を解消する食品

全粒粉
ストレスや不安、神経症を解消するには神経の興奮を抑えるマグネシウムを含む食材や、トリプトファンという精神を安定させる成分を含む食材を意識してとるのがオススメです。

貧血症状に効果的な食品

貧血の主な原因は鉄分不足です。鉄分が不足すると血液中のヘモグロビンが不足し、息切れやめまい、貧血といった症状が表れます。

鉄分はほうれん草やレバーといった食品に豊富に含まれているので、食事にうまく取り入れていきましょう。

安眠を促す食品

不眠症を解消して安眠を叶えていくならグリシンを摂取していくことが大切です。グリシンには温度調整効果あるので、寝る際の体温をうまく調節し入眠しやすい環境を整えてくれます。

グリシンは魚介類や肉類に含まれているので、スープや煮物など気軽に摂取できるメニューに取り入れていくといいでしょう。

裏には他疾患が絡んでいる可能性あり

疾患の可能性

自律神経失調症

交感神経と副交感神経をつかさどる自律神経のバランスが崩れ、心身に障害をもたらす疾患です。落ち込みやイライラ・生理不順のきっかけとなることもあり、放置するとうつ病に発展します。

自律神経を整えるためには生活習慣を見直し、睡眠時間の確保・バランスのいい食生活・適度な運動を行っていくことが大切です。無理のない範囲で改善していきましょう。

双極性障害

躁鬱病とも呼ばれる精神疾患です。明るい気分と暗い気分が頻繁に切り替わり、落ち着きのない精神状態が続きます。

イライラやヒステリーといった形で症状が表れ、周りを困惑させることもあります。

子宮筋腫

子宮に良性の腫瘍ができ子宮を圧迫する疾患です。月経量の増加・月経痛といった症状が出て、貧血へとつながっていくこともあります。月経に異常が出るようなら、早めに婦人科に相談しましょう。

加味帰脾湯についてのまとめ

加味帰脾湯は精神を安定させるのに効果的な漢方薬です。落ち込みやイライラが目立つようになってきたら、活用していきましょう。

飲みにくいようなら、便利なアイテムを使用していくことも大切です。無理のない範囲で服用を続けていってください。

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記事執筆・監修

漢方薬剤師/薬膳料理家/国際中医師/国際中医美容師

大久保 愛

「アイカ製薬」代表取締役。
秋田の自然で薬草や山菜を採りながら育ち漢方や食に興味をもつ。薬剤師となり中国の北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て漢方・薬膳の専門家として商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。

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