漢方薬・生薬

真武湯の効果や効能とは?弱っている体に、長引く下痢に使ってみよう

真武湯という漢方を聞いたことがありますか?あまりなじみのない漢方ですが、虚弱体質の方は身近に処方されている漢方です。

そこで今回はこの真武湯について紹介していきます!

真武湯(シンブトウ)とは?

漢方

漢方では体の中を「」「」「」の3つに分類して、それぞれが乱れていると体に不調が起こるという考えがあります。
真武湯では「水」(血以外の体液全般)の滞っている(水滞)を改善してめまいや体のふらつき、冷え、むくみがあるときに使われます。

真武湯は、虚弱体質で全身状態が停滞している方に処方されます。

真武湯の効果は?

真武湯は、疲れやすく体が冷え、めまいがあり下痢をしやすい場合に処方されています。
そのため

  • 慢性胃腸炎
  • 胃腸虚弱
  • 過敏性腸症候群

といった下痢を伴う疾患に使用されます。

さらにこの他にも風邪が長引いて全身倦怠感があるとき、それを改善したり虚弱体質の体質改善薬としても処方されています。 
また低血圧症や高血圧症に伴う体のふらつきやめまい、むくみが発生している場合にも使われています。          

真武湯に含まれる生薬

ではここでは真武湯に含まれている生薬の効果や効能について見ていきます。

①茯苓(ブクリョウ)

サルノコシカケ科マツホド菌の菌核を乾燥して、外の皮を除いたものを茯苓と言います。利尿作用に優れていて、ミネラル類の排出量が増加します。
また病後の体力増強作用があり、薬の巡りを良くするとも言われています。

②芍薬(シャクヤク)

ボタン科の芍薬の根を乾燥させたもので、国内でも奈良県や北海道などでわずかに栽培されています。
筋肉のけいれんを緩和させ、血管の働きを正常にして血の巡りを良くする効果があります。また、鎮痛、収れん、緩和作用があります。

③蒼朮(ソウジュツ)

キク科ホソバオケラの根や茎を乾燥させたもので、日本でも生息しています。利尿・発汗、健胃整腸作用効果があり下痢や体の冷え、肝臓機能の衰退を改善する漢方に配合されています。

④生姜(ショウキョウ)

生姜科の根や茎で、生の生姜のことを言います。新陳代謝を高めて食欲増進や、発汗作用に優れています。さらに軟骨を破壊する酵素の生成を抑制する効果もあります。

⑤附子末(ブシマツ)

キンポウゲ科シナトリカブトの子根を乾燥したもので、日本でも生息しています。体を温めて新陳代謝を高める小夜に優れていて、鎮痛、利尿、鎮静効果があります。
虚弱体質者の腹痛の緩和に優れています。

真武湯の用法・用量

真武湯のは、成人(15歳以上)なら1日7.5gで、1日2回~3回に分けて服用していきます。
漢方なので、食前や食間が基本でした、食後に服用してもOKです。
もちろんあくまでも基本的な服用量なので、年齢や体重・症状によって服用量が変わっていきます。

必ず医師の指示に従って服用しましょう。

真武湯の副作用は?

アンハッピーマーク

真武湯は正しく服用すれば副作用が少ないと言われていますが、完全に副作用が出ないというわけではありません。

  • 発疹
  • 発赤
  • かゆみ
  • 蕁麻疹
  • のぼせ
  • 舌がしびれる
  • 悪心

などなど少しでも体調がおかしいなと思ったら服用を中止して、かかりつけの医師に相談しましょう。

真武湯を服用するときの注意点

注意点

では最後は真武湯と服用するときの注意点を書いておきます。

①体力が充実している患者への投与

真武湯は、虚弱体質な人に向けて作られた漢方です。そのため、体力が充実してい人に投与すると、副作用が表れやすくなり、症状が強く出てしまう場合があるので、注意してください。
問診で、いろいろ聞かれると思うので、正直に答えれば間違って処方されることはないかと思います。

②高齢者への投与

年齢を重ねると、生理機能が低下し、基準の量を服用すると副作用が発生する可能性があります。そのたけ、高齢者の場合、量を少なくして服用することが大切です。

③妊娠中・授乳中の方への投与

妊娠中、授乳している方の投与は、服用することによって起こる胎児への影響、母乳への移行などなど臨床実験が出来ておらず危険性が分かっていません。
またブシ末の副作用が強く表れてしまうといわれているので、服用はしないでください。

妊娠・授乳中はその期間でも服用出来るものをかかりつけの病院からしっかり処方してもらいましょう。

④小さい子供への投与

ブシ末の副作用が表れてしまう危険があるので、慎重に投与していく必要があります。
でも実際小さい子供で漢方は・・・飲めない子が多いです。

まとめ

今回は虚弱体質で下痢の症状がある場合に処方される「真武湯」について書いてきました。
体を温めて、水の循環を良くして下痢の症状を改善することがわかりましたね。ぜひ処方されたときは、用法や容量を守って正しく服用しましょう!

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記事執筆・監修

運営者

漢方生薬 研究所

漢方生薬研究所のスタッフによる執筆・監修記事です。漢方をはじめ、第二類医薬品や第三類薬品、健康食品、サプリメント情報を配信しています。

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