低気圧頭痛の正体
梅雨真っ只中、気象病、天気病などと呼ばれる不調がある方は、今が一番つらい時期ではないでしょうか。
「雨が降ると頭痛がする」「体が重だるい」「むくみがひどい」「頭がぼーっとする」など
梅雨時期にこのような症状で悩まされる方は、漢方でいうと水毒、水滞の状態と考えられます。湿気の多い梅雨は、皮膚からの水分の発散がしづらく、身体に湿気がたまりやすい時期です。湿邪は重い性質がありますので、湿で起こる痛みは重だるいのが特徴です。
効果的な漢方薬とは
この場合、効果的なのが、有名な漢方薬「五苓散」です。
頭痛、むくみだけでなく、胃腸炎、二日酔い、じんましんなど様々に応用される漢方薬です。西洋医学的には別々の病名や症状でも、漢方的に同じ原因から起こる場合であれば、同じ漢方が効果があるからです。
この漢方薬は、利水といって、身体の水分バランスを整え、水の偏りを改善するので、必要なところに水を移動し、余分な水を外に出してくれる作用があります。
即効性があるので、今つらい！という時や雨の前に飲んでおくことがおすすめです。
症状がひどかったり、ずっと飲み続けないとつらい方は、水滞になりやすい体質自体を改善していくことをおすすめします。その場合は適した漢方薬が異なりますので、ご相談ください。
簡単な頭痛対策
身近な対策としては、適度な運動を意識して、汗をかくようにすることで、体内の水分を発散させることがおすすめです。また大切なのが、汗や水分はすぐタオルなどで吸い取ること。せっかくの皮膚からの発散を妨げないようにしましょう。
ただ、頭痛の原因は多岐にわたります。ストレスを感じると張るように痛い、拍動するようにズキズキするという方は水滞が原因ではない可能性が高いです。様々な漢方的要因が絡み合っていることも多いので、治らない頭痛でお悩みの方は、ご相談頂ければと思います。
植野典子
国際中医師（国際中医専門員）
漢方薬・生薬認定薬剤師
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