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舌咽神経痛とは?ストレスも関係するその病気を解説

舌咽神経痛(ぜついんしんけいつう)は、顔の痛みに関連した病気の1種です。

一説によればストレスが1つの要因として考えられています。

ここでは、そんな舌咽神経痛とストレスとの関係性、症状や原因について紹介。

舌咽神経痛に効果を期待できる漢方薬も掲載しているので参考にしてください。

舌咽神経痛とは?

喉の痛み、女性

顔の痛みの原因には、顔面けいれん・三叉神経痛(さんさしんけいつう)・舌咽神経痛(ぜついんしんけいつう)などが挙げられます。

特に、三叉神経痛は顔や口の中に電気が走るような強い痛みが短時間続くのに対し、舌咽神経痛は喉奥・舌奥・扁桃付近・耳の一部・顎の後方部に重度の痛みを伴うのが特徴的です。

顔の痛みでは、三叉神経痛の方が一般的で、舌咽神経痛は稀な疾患で認知されています。

物を噛んだり飲み込んだりする動作時に、耐え難いほどの痛みが喉や舌の奥、耳の周囲にあらわれるので、三叉神経痛の第3枝(下顎)の痛みと勘違いされやすいです。

舌咽神経痛の症状

三叉神経痛と同様に症状が続く時間は数秒から数分間と短期的かつ断続的ですが、その間にやってくる痛みは耐え難いほどの激痛が起こります。

主に、物の咀嚼以外にも話をする・あくびをする・咳をする・くしゃみをするなど、喉や舌、顎に負担のかかる動作をきっかけに痛みが発生することもあります。

通常であれば、喉と舌から痛みが始まり、片側付近にだけ痛みを伴います。

舌咽神経痛になる原因

舌咽神経痛を発症する原因は完全に解明されているわけではなく、しばしば原因不明な疾患としてさまざまな要因が懸念されています。

その中でも、原因として多く挙げられるのが舌咽神経が脳幹部付近で動脈をはじめ、何らかの強い圧迫が生じることで神経への異常な信号として強い痛みを感じるということです。

稀な疾患なだけに通常は40歳を超えた男性に多く見られるのが特長です。

舌咽神経痛の治療方法

血管の物理的な圧迫のため「微小血管神経減圧術(MVT)」といった手術による直接的な治療方法にて治療するのが最も効果的です。

これは、動脈など神経を圧迫する血管を剥離して、別の場所へ移動させることにより、神経への痛みや負担を根本的に取り除く方法。

ただ、いきなり手術するのは億劫という方もいらっしゃるかと思いますので、その場合は抗てんかん薬や、局所麻酔を用いて治療をおこないます。

抗てんかん薬は、カルバマゼピン、オクスカルバゼピン、ガバペンチンなどの抗痙攣薬により痛みを緩和させる効果を期待できます。
局所麻酔では、リドカインなどを使用して痛みを和らげます。

いずれも経過観察を目的に使用するだけなので一時的にしか痛みを抑えることができず、根本的に改善を狙いたいなら手術による方法が間違いありません。

舌咽神経痛に効果のある漢方薬とは?その効果をチェック!

漢方

舌咽神経痛は痛みがなかなか取れないという方も多く、漢方を処方したところ和らいだという例もあります。
ではどのような漢方が処方されているのか、ここでは2つの漢方を紹介していきます。

①清上けん痛湯

長引く頭痛でまず使われるのがこの漢方です。痛みを発生させている鬱熱を清して、痛みを取り去るという意味があります。

【効果・効能】
体力に関係なく服用出来、慢性な繰り返す痛みに効果を発揮します。
原因の分からない片頭痛や、群発頭痛、機能性頭痛などなどいろいろな頭痛に良く処方されます。
そのほかにも三叉神経痛や、いきなりの目の痛み、歯いた、副鼻腔炎などあらゆるいたみを緩和する効果があり、舌咽神経通にも適用されています。

【生薬】
・麦門冬湯・・鎮咳、去痰、滋養強壮差王に優れている
・黄ゴン・・抗菌作用や解毒作用に優れていて、肺の熱を取り去る作用がある
・羌活・・発汗、鎮痛作用があり神経痛などの痛みを緩和してくれる
・独活・・発汗、駆風、解熱作用があり、頭痛や関節痛などの痛みを改善する
・防風・・発汗、解熱、ツン通作用に優れていて、頭痛や体の痛みに作用する
・蒼朮・・水分代謝を盛んにして、発汗作用に優れ、体を温める効果
・当帰・・血液の循環をよくする作用があり、鎮痛、鎮静、強壮効果がある
・川芎・・血行を促進して鎮痛作用、補血作用に優れている
・白芷・・去痰、鎮痛、鎮静、排膿作用に優れていて、歯痛や神経痛の漢方に配合
・蔓荊子・・止痛効果があり、頭痛や関節痛、神経痛緩和効果がある
・細辛・・鎮静、鎮痛、解熱、去痰作用に優れている
・甘草・・鎮痛鎮痙作用があり、甘さがあるので漢方を飲みやすくしている
・菊花・・解熱、鎮痛、鎮静作用や、明目作用があり、精神疾患改善効果がある
・生姜・・体を温めて、鎮痛作用に優れている

全部で14の生薬のうち7つの生薬に痛みを緩和する効果があり、さらに精神疾患を改善するものも配合されているので、痛みを緩和しつつ、精神面もケアしてくれる漢方薬です。

②柴胡疎肝湯(さいこそかんとう)

漢方では、体の巡るエネルギーを「気」と表し、これが乱れると体に様々な不調が発生すると考えれています。
そしてこの気の乱れを引き起こす原因が「ストレス」なのです・

柴胡疎肝湯は、気が滞っている「気滞」を改善して、あらゆる症状を緩和させる効果に優れていて、体力が中程度以上の方に処方される漢方です。

【効果・効能】
ストレスからくる胸部の重苦しさや、体がこわばる症状である、腹痛、胸部の痛み、神経痛に効果があります。
また女性では、月経不順の治療薬としても使われることがあります。

【生薬】
・柴胡・・胸部苦満、内臓下垂を改善する効果がある
・芍薬・・筋肉の痙攣を緩和させ、鎮痛鎮痙作用にすぐれている生薬
・枳実・・理気、健胃、便通作用があり胸のつかえや膨満感、便秘などに使用されている
・甘草・・緊張緩和作用があり、鎮痛、鎮痙効果に優れている
・香附子・・体の気を整えて、鎮痛作用がある
・川芎・・血行を促進して鎮痛作用、補血作用に優れている
・桂皮・・停滞しているものを動かし、発散させ、解熱、鎮痛作用に優れている

このようにストレスで停滞している気の巡りを良くして、鎮痛作用で痛みを和らげてくれる生薬が配合されています。

まとめ

いかがでしたか?
今回は舌咽神経痛ではどのような漢方が効果があるのか見てきました。ストレスによるものは、ストレスを取り除きつつ、痛みも緩和していくものがおすすめです!
特に先ほど紹介した2つはよく処方されているものなので、安心して服用して下さいね。

さらに服用するときは、医師や薬剤師の指示に従って正しい方法で、水かぬるま湯で飲むようにしましょう。

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記事執筆・監修

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漢方生薬 研究所

漢方生薬研究所のスタッフによる執筆・監修記事です。漢方をはじめ、第二類医薬品や第三類薬品、健康食品、サプリメント情報を配信しています。

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