漢方薬・生薬

大建中湯とはどんな漢方薬?気になる効果効能・副作用について

漢方薬に対して、いわゆる西洋薬ほどの科学的根拠に乏しく、経験的な根拠に基づいて天然の生薬から作られているイメージを持つ人も多いと思います。

実際のところは、そんなイメージとは異なり、漢方薬の元となっている天然の生薬から有効成分を取り出して、新しい薬が作られるほど、漢方薬の効果は高く評価されています。

今回のテーマである大建中湯も同じです。

そこで、大建中湯の効果効能や副作用、そして安全に大建中湯を使うための注意点などについて解説します。

大建中湯とは?

大建中湯は、「ダイケンチュウトウ」と読む漢方薬です。

中国の漢の時代の古典的医学書『金匱要略』に紹介されているほどの歴史があり、その名前には「胃腸を丈夫にする」という意味合いが含まれています。

漢方薬には製造番号が振られていますが、大建中湯のそれは100番です。

ツムラが作っている病院での処方用の大建中湯だけでなく、小太郎漢方製薬の大建中湯のように第二類医薬品として市販されている製剤もあります。

大建中湯の性状

大建中湯は、1包あたり2.5[g]の粉薬です。

淡い灰白色で、特異なにおいがします。

なお、天然生薬から作られている関係で、多少色の違いが認められることがあります。

味は、甘みのある辛さという独特な味がします。

大建中湯の生薬

大建中湯は、『山椒(サンショウ)』『乾姜(カンキョウ)』『人参(ニンジン)』『膠飴(コウイ)』の4種類の生薬で作られています。
 

山椒(サンショウ) 0.27[g]
乾姜(カンキョウ) 0.67[g]
人参(ニンジン) 0.4[g]
膠飴(コウイ) 2.67[g]

『山椒(サンショウ)』『乾姜(カンキョウ)』は、蠕動運動というお腹の働きを良くする効果があり、お腹の冷えや痛みをやわらげます。

『人参(ニンジン)』には、滋養強壮作用があり、体質を強くします。

『膠飴(コウイ)』は、胃腸の働きを整えたり、栄養を補給したりします。

このほか、ステアリン酸マグネシウムや乳糖水和物が添加物として配合されています。

大建中湯の証

今ではいろいろな検査法が確立していますが、そうでなかった時代では、経験に基づき患者さんの症状だけでなく体質も合わせて判断していました。

それが漢方医学における『証』です。

したがって、『証』は、漢方医学での診断法と言えます。

『証』が定まれば、漢方薬の処方が決まりますので、両者は、鍵と鍵穴の関係にも例えられています。

『証』の代表的なものさしに、『虚実』があります。

これは、体力の充実度合いをみるもので、『実( ジツ)』は体力が充実した体質、『虚(キョ)』は虚弱な体質をさします。

大建中湯の虚実は、『虚(キョ)』なので、虚弱体質な人に用いられる漢方薬であることがわかります。

大建中湯が適する症状

お腹の張り

大建中湯は、お腹が冷えて痛む、もしくはお腹が張って辛いといった症状に用いられる漢方薬です。

中でも顔色が悪い、体がだるくて疲れやすい、腸の中で腸がモクモクと動いているのを自覚するような感覚のある人に適しています。

大建中湯の効果・効能および副作用

大建中湯には、どのような効果効能、そして副作用があるのでしょうか。

大建中湯の効果・効能

大建中湯は、お腹の冷え性、および冷え性による腹痛、お腹の張りに効果があります。

多くの場合は、服用を開始してから3週間前後で効果が感じられるようになりますが、これには個人差があります。

ですが、1ヶ月程度服用を続けても、なかなか効果が感じられない場合は、医師や薬剤師に一度相談したほうがいいでしょう。

大建中湯の副作用

一般的に多い副作用としては、皮膚の発疹(ブツブツ)、発赤(赤み)、かゆみなどの皮膚症状、そしてお腹の張りや胃の違和感、吐き気や嘔吐、腹痛などの消化器系の症状があげられます。

下記に示す症状が現れた場合は重篤な副作用が起こっている可能性がありますので、服用を中止して、すぐに医師の診察を受けるようにしてください。

症状 副作用として疑われる病気
階段を上がるだけですぐに息が切れる
息苦しくなる
空咳が止まらない
間質性肺炎
黄疸
全身のだるさ
おしっこが褐色になる
食欲が低下する
肝臓病

 

大建中湯の飲み方

水を飲む女性
大建中湯は、食前、もしくは食間(食後2〜3時間後のこと)に服用します。

一般的に薬といえば食後に飲むイメージですから、間違えないように気をつけてください。

大人で1日6包(1日量15.0[g])と比較的たくさん飲む必要がありますので、服用途中で喉につかえないように注意してください。

服用するときは、水かお白湯で飲むようにしましょう。

年齢 1日量
大人(15歳以上) 1回2包×3回/日
7歳以上15歳未満 1回1包+1/3包×3回/日
4歳以上7歳未満 1回1包×3回/日
2歳以上4歳未満 1回2/3包×3回/日
2歳未満 1回1/2包×3回/日

 

大建中湯の使用上の注意点

大建中湯を服用する上で、いくつか守らなければならない注意点があります。

効果的に、そして副作用を起こしにくくするために、必ず守ってください。

飲み忘れた場合

大建中湯は、1日3回服用する漢方薬ですが、中には忘れてしまうこともあるでしょう。

そんな時は、気付いた時にすぐに飲んでいただければ大丈夫です。

ですが、次に飲むタイミングが2時間以内に迫っている時は飲まず、次の時間に飲むようにしてください。

なお、飲むのを忘れからといって、2回分を1度に飲むのはダメですので、注意してください。

大建中湯を服用する前に相談したほうがいい場合

以下に記載した項目に当てはまるような場合は、使用する前に医師や薬剤師と相談するようにしましょう。

  • 大建中湯を含む何らかの薬を使って、以前にかゆみやじんましんなどのアレルギー症状が現れたことがある人
  • 妊娠中、もしくは授乳中の人
  • 現在、病気の治療で医師から処方された薬を使っている人
  • 肝臓病の治療を受けている人、もしくは受けていた人
  • 65歳以上の高齢者
  • 1歳未満の乳児は、大建中湯を用いるよりも、医師の診察を受けることを優先しましょう。

大建中湯を服用してはいけない人

3ヶ月未満の乳児には飲ませてはいけません。

まとめ

いかがでしたか?

今回は、大建中湯の効果効能・副作用について紹介してきました。

大建中湯は、お腹の冷え性やそれに伴う腹痛、お腹の張りに効果のある漢方薬です。

もし、虚弱体質の方のうち、このような症状に悩んでいる方は、大建中湯をお試しになってみてはいかがでしょうか。

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記事執筆・監修

国際中医美容師

運営者

漢方生薬 研究所

漢方生薬研究所のスタッフによる執筆・監修記事です。漢方をはじめ、第二類医薬品や第三類薬品、健康食品、サプリメント、遺伝子検査の情報を配信しています。

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