病気・未病

誰にでも起こる糖尿病とは?原因や服用する薬をチェック!

糖尿病でも2型糖尿病は誰でも起こる糖尿病で、自分が知らない間に症状が進行していることもあります。

今回は糖尿病について詳しく書いていきます。

ぜひ身近な病気の知識としてこの記事を熟読してみて下さい。

糖尿病とは?

糖尿病とは、インスリンが十分に作用しないため、ブドウ糖が使われず血糖値が高くなる病気のことを言います。

糖尿病では以下の単語がキーワードになります。

①インスリン

インスリンは、血液中のブドウ糖を筋肉や肝臓へ運び、血糖を下げる働きをする「ホルモン」を指します。

膵臓のβ細胞で作られ、血液で全身に運ばれます。

②血糖

炭水化物は、体内に入ると糖質と消化されブドウ糖になり、血液中から全身の細胞に取り込まれて、体のエネルギーとして使われています。

この血液中の中にあるブドウ糖を血糖といい、その量のことを血糖値と言います。

本来私たちの体は、インスリンのおかげで、血糖値が一定の範囲内でコントロールされています。

このため、食事や運動をしても血糖値は極端に高くなったり、低くなったりしません。

しかし糖尿病の方の場合、このインスリンの分泌が少なく働きが悪くなると、ブドウ糖が細胞内に上手く吸収されず、血液中に溢れて血糖値が常に高い状態になってしまうのです。

糖尿病は血糖検査をするとわかります。血糖検査をしたとき

・早朝空腹時の血糖値が126㎎/㎗以上
・血糖が常に200㎎/㎗以上
・75gのブドウ糖検査で2時間ごの血糖値が200㎎/㎗

こちらが糖尿病と言われている数値です。

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糖尿病には種類や原因は?

糖尿病には、3つに分けられ、それぞれの原因も異なります。

1.1型糖尿病

ウィルス感染などが原因で、インスリンを作る膵臓細胞が壊され、インスリンが作られなくなったり、極端に分泌が少なくなる糖尿病です。

10代の若い世代に多く見られるのが特徴で、体外からインスリンを取り入れる必要があり、インスリンの注射が欠かせません。

2.2型糖尿病

糖尿病患者の95%がこの2型糖尿病で、運動不足、肥満、ストレス、カロリー過多が原因で、インスリンの分泌が減ったり、低下することで起こる糖尿病です。

この2型糖尿病は生活習慣病ともいわれていて、今までは中今年に多く見られましたが、近年では若年化が進んでいて年齢が関係なくなりつつあります。

さらに肥満ではないけど、内臓脂肪が多いメタボリックシンドロームも発症の原因になります。

3.妊娠糖尿病・その他

遺伝子の異常や、妊娠中によって起こる妊娠糖尿病があります。

妊娠糖尿病は、妊娠中に胎盤が作るホルモンが、インスリンの働きを抑えることで、起こる糖尿病です。

家族に2型糖尿病や高齢妊娠、過去に血糖を指摘されたことがあるという方は注意が必要です。

病気や薬剤の使用に伴って起こる糖尿病もあります。
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糖尿病の症状は?

糖尿病が発生するとどのような症状が起こるのでしょうか?

ここでは糖尿病の症状について書いていきます。

①尿の量が多くなる

糖が尿に出るときに一緒に水分も排出します。

そのためトイレが近くなったり、1回に出る量が多くなります。

②体重が減る

生命維持活動するための糖が尿に出てしまうため、体のたんぱく質や脂肪を利用して、エネルギーの源にします。

そのため、体重減少が見られ1ヶ月に2㎏以上痩せる場合は注意が必要です。

③喉が異様に乾く

尿が多く出るため、体が脱水になりの喉が乾きます。

これは友人の看護師さん曰く、異常なほど喉が乾き常に飲まないと辛いそうです。

④疲れやすくなる

体重減少でエネルギー不足で疲れを感じやすくなり、疲れがなかなか取れないという症状もあります。

さらにそれに伴い眠くなったり、イライラすることもあります。

⑤足にむくみ・しびれ

血糖が高いと神経障害がおき、足に軽いしびれやむくみを感じることがあります。

⑥タコやイボが出来やすい

体の末端の血行不良が悪くなり、タコやイボが出来やすくなり治りにくいという症状が現れます。

1型糖尿病は、上記のような症状が急に現れますが、2型糖尿病の場合、無自覚のまま糖尿病が進行することもあります。

さらに症状がないまま放置すると、合併症を引き起こす可能性が高くなります。

糖尿病の診断が下りたら・・どんな薬を服用するの?

では糖尿病の診断が下りたらどんな薬を処方されるのでしょうか?

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1.血糖値を下げる

●DPP-4阻害薬

小腸から分泌されるインクレチンというホルモンに作用する薬で、血糖値の高い時だけ作用してインスリンの分泌を促してくれます。

低血糖も起こりにくく、体重増加もありません。

●ビグアナイド薬

血糖値を下げる効果が少し弱まりますが、体重増加が起こりにくい薬です。

肝臓で糖を作る働きを抑え、筋肉でブドウ糖の利用を促し血糖をコントロールします。

低血糖を起こす可能性は少ないですが、副作用として胃腸障害があげられています。

●SGLT2阻害薬

肝臓に作用し、血液中のブドウ糖を尿の中に排出させ血糖値を下げます。

体重減少作用があるので、肥満傾向で体重を落としながら血糖をコントロールしたいという方に使用されます。

しかし副作用として脱水や尿路感染があげられます。

2.食後の血糖をコントロールする

●α‐グルコシダーゼ阻害薬

食事の血糖値が上がりやすい患者に使用します。小腸でのブドウ糖の分解・吸収を遅らせることによって、急激な血糖値の上昇を抑えます。

低血糖を起こす可能性が少ないですが、起こってしまった場合はブドウ糖を摂取します。

●速攻型インスリン分泌促進薬

食後に血糖値が高い患者に使用し、SU薬と同じように膵臓のβ細胞に働きかけます。

服用後30分以内に効果が現れるので、食事をしないと低血糖を起こす可能性があります。

3.経口薬

●スルホニル尿素薬

SU薬とも略され、膵臓のβ細胞という細胞に働きかえ、数時間にわたってインスリンの分泌を促して血糖値を下げる効果があります。

経口血糖降下薬では最も多く使われる薬ですが、長く使うと効果が現れにくくなったり、服用後に食事をしないと低血糖を起こる可能性があります。

●チアゾリジン薬

インスリン抵抗性改善薬ともいい、脂肪や筋肉でインスリンの効きをよくし、血液中のブドウ糖を利用する力を高め、血糖値を下げる効果があります。

低血糖を起こす可能性が低い薬ですが、服用する人によってはむくみ・体重が増える副作用があります。

薬を飲むと血糖値が下がり、糖尿病が治ったと思い薬を辞めてしまう方がいます。

しかし血糖値はあくまでも薬でコントロールされているだけで、完全に治る病気ではありません。

途中でやめることはせず、必ず飲み続け定期的に検査を受けましょう。

糖尿病を放置すると・・・三大合併症とは?

を放置すると合併症が起こりやすくなると書きました。
糖尿病には三大合併症を起こす危険性があります。

①糖尿病性網膜症

糖尿病が進行すると、目の網膜の毛細血管を傷つけて出血や網膜剥離を起こし失明します。

糖尿病性網膜症は、日本人の失明原因の第2位と非常に多いです。

糖尿病の診断を受けたら、自覚症状がなくても必ず定期的に眼底検査を受けることが大切です。

失明してしまうのは、定期的な検査を受けず放置してしまう場合に起こります。

血糖をコントロールして、定期的に検査を受けることが大切です。

②糖尿病性腎症

腎臓には糸球体という毛細血管があり、血をろ過してくれ綺麗にしています。糖尿病になると血糖が高い状態が続くと、この糸球体が傷つきやすくなります。

そして最終的には腎臓が傷つき、尿と一緒にたんぱく質が出て来てしまい腎臓の働きが弱くなります。

糖尿病腎症が進行し腎不全になると、「人工透析」が必要になり、今人工透析を受けている方のほとんどがこの「糖尿病腎症」です。

糖尿病腎症も血糖コントロールと定期的な尿検査が重要です。

③糖尿病性神経障害

糖尿病になると、手足の神経の末梢神経がダメージを受けます。

手足のしびれが始まり、悪化すると痛みの感覚が鈍くなります。

さらに気が付くのが遅れると、感染症を引き起こし、最悪の場合その部分が壊疽して切断をしなければならなくなります。

症状が出た時点ですぐ医師に相談しましょう。

糖尿病はこのほかにも「動脈硬化」を引き起こす要因になり、これを放置すると脳梗塞や心筋梗塞など命に係わる病気を発生させます。

糖尿病は適切な血糖コントロールと定期検診が重要なのです。

糖尿病と上手に付き合うために・・・

糖尿病は一度発生したら一生付き合っていかなければなりません。

ですが、きちんと適切な治療を受ければ日常生活を普通に送ることが出来ますし、妊娠・出産も可能です。

さらに自分で出来るケアとしては

・運動
・食事
・休息
・ストレス解消

に気を付けることです。

バランスのいい食事と、適度な運動、しっかりと休息をとりストレスを解消することは、すべての病気予防になります。

自分で生活習慣を改善し、何度も書いているように薬をしっかり服用して、定期検査を受けましょう!
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まとめ

いかがでしたか?
今回は糖尿病の症状や薬について見てきました。

第2型糖尿病は、誰にでも起こりうる糖尿病で近年は年齢も関係なくなってきています。

まずは日々の生活習慣を見直すことが大切です。

そしてもし糖尿病という診断を受けても、薬をしっかり服用し血糖コントロールしていき、定期的に受診することが大切です。

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記事執筆・監修

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漢方生薬 研究所

漢方生薬研究所のスタッフによる執筆・監修記事です。漢方をはじめ、第二類医薬品や第三類薬品、健康食品、サプリメント情報を配信しています。

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