今年は秋の花粉症が猛威を奮っています。
夏があまりにも暑くて元気がなかった植物も気温が下がって、一気に咲き、花粉をつけたようです。
秋の花粉症の原因植物は、山ではなく、生活の場のふとしたところにあります。イネ、ブタクサ、ヨモギ、カナムグラなど、河川敷や道端などに生えている、身近な草花です。
花粉症は年々増えています。今まで秋は症状が出なかった方でも、今年発症された方、いるのではないでしょうか。
花粉症、アレルギー性鼻炎は漢方では水毒と考えます。
体の水の流れが滞り、鼻などにあふれだしている状況です。
また、秋は肺のトラブルに要注意の季節です。
漢方で肺というのは西洋医学と異なり、呼吸に関連するところがすべて含まれます。
鼻、喉、気管支、皮膚も「肺」にあたります。
くしゃみ、鼻水のアレルギー性鼻炎も、喉が乾燥して空咳が出るのも肺が関連しています。
秋は燥邪が多く、喉や気管支が乾燥しやすいため、秋の花粉症は咳が出ることも多いのが特徴です。その場合、花粉のアレルギーと気づかないこともあります。
透明な鼻水がだらだら出る症状であれば、有名な漢方薬の小青竜湯が効果的です。
煎じ薬を飲むと一服で抜群の効果を実感できると思います。
眠気も出ず、のども渇かないので、仕事にも運転にも心配いりません。
胃腸の弱い方、虚弱な方、妊娠中の方は、麻黄が入らない苓甘姜味辛夏仁湯が良いでしょう。
透明な鼻水はあるけれど、鼻詰まりがひどい場合は葛根湯加川芎辛夷が効果的です。
黄色い鼻水でドロッとしている場合は、熱(炎症)があると考えるので、適した漢方が異なります。
症状がひどい時は、今の症状を楽にする漢方薬をおすすめしますが、花粉症は毎年のことです。症状が治まったら、また症状がひどく出ないように体質改善することがおすすめです。
花粉症やアレルギー性鼻炎をお持ちの方は、体の水が滞りやすい体質を持っていることが考えられます。例えば、根本的な原因として、肺はもちろん、水を司る腎が弱かったり、胃腸が弱いことで、水を正常に運ぶ力が足りず、アレルギー症状につながっている場合があります。
原因を知り、ひどくない時にこそ、お身体を整えておくことで、来年の春こそは楽に過ごせるようになるといいですね。
ゆううつな花粉の季節から解放されたい方、ぜひご相談ください。