漢方薬・生薬

苓姜朮甘湯どんな漢方薬?気になる効果効能・副作用について

現代の医療は、西洋医学が中心なので、漢方薬を西洋薬よりも効果が低いと捉えてしまう人もいるようです。

ですが、実際のところはそのようなことはありません。

漢方薬の生薬から有効成分を抽出して新薬を開発する実例があることもあり、漢方薬の効果は医学的にもしっかりと確立されたものとなっています。

今回のテーマである苓姜朮甘湯も同じです。

そこで、苓姜朮甘湯の効果効能や副作用、そして安全に苓姜朮甘湯を使うための注意点などについて解説します。

苓姜朮甘湯とは?

苓姜朮甘湯は、「リョウキョウジュッカントウ」と読む漢方薬で、製品番号は118番です。

漢の時代の古典的医学書である『金匱要略』に掲載されているほど長い歴史のある薬です。

ツムラが作っている病院での処方用のツムラ苓姜朮甘湯エキス顆粒だけでなく、第二類医薬品として小太郎漢方製薬から発売されているコタロー苓姜朮甘湯エキス細粒のように市販されている製剤もあります。

苓姜朮甘湯の性状

苓姜朮甘湯は、1包あたり2.5[g]の顆粒状の薬です。

淡い灰褐色で、特異なにおいがします。

他の漢方薬と同じく苓姜朮甘湯も天然生薬から作られているので、製剤によって多少色の違いが生じることがあります。

味は、甘くて辛いという独特な味がします。

苓姜朮甘湯の生薬

苓姜朮甘湯は、『茯苓(ブクリョウ)』『白朮(ビャクジュツ)』『乾姜(カンキョウ)』『甘草(カンゾウ)』の4種類の生薬で作られています。

生薬 1包あたりの含有量
茯苓(ブクリョウ) 2.0[g]
白朮(ビャクジュツ) 1.0[g]
乾姜(カンキョウ) 1.0[g]
甘草(カンゾウ) 0.67[g]

茯苓(ブクリョウ)
:おしっこの排出を改善させる効果
血糖値を下げる効果

白朮(ビャクジュツ)
:胃腸の改善効果
血糖値を下げる効果

乾姜(カンキョウ)
:胃腸の調子を整える効果
身体を温め、汗をかきやすくする効果
食欲を高める効果

甘草(カンゾウ)
:胃腸や筋肉などの炎症による痛みを抑える効果
解毒作用
咳止めの効果

このほか、ステアリン酸マグネシウムや乳糖水和物が添加物として配合されています。

苓姜朮甘湯の証

漢方医学における『証』という言葉は、なかなか聞きなれないと思いますが、これは漢方薬を処方するための根拠となる概念で、漢方医学における診断法と考えても良いほどの重要性を持っています。

言い方を変えると『証』が決まらないと、漢方薬の処方ができませんので、『証』と漢方薬の関係は、鍵と鍵穴の関係とみなされたりします。

『証』を判断する方法は、『虚実』と『陰陽』の2種類に分けられます。

『虚実』は、簡単にいうと体力の充実さで、『陽』は体力が充実した状態、『虚』は体力が低下した虚弱な状態を指します。

『陰陽』は、体の傾向を意味し、ざっくりと簡単にいうと冷え性かほてり性かということです。

この組み合わせで身体の状態を判断し、漢方薬を処方します。

苓姜朮甘湯の『証』は、『虚(キョ)』『冷え』なので、虚弱体質傾向で冷え性の人に用いられる漢方薬であることがわかります。

苓姜朮甘湯の効果・効能および副作用

トイレで下半身を抑える人
苓姜朮甘湯は、腰から足にかけての痛み、足腰の冷え性、トイレに行きやすい、夜間の尿などの解消に効果があります。

漢方薬の多くは服用を開始してから3週間前後で効果を実感できるようになりますが、苓姜朮甘湯も同じ傾向があります。

もし苓姜朮甘湯を1ヶ月ほど服用し続けても、なかなか効果が感じられないようなときは、一度、医師や薬剤師に相談してみることをおすすめします。

苓姜朮甘湯の副作用はあまり多くないようですが、胃の不快感や軽い吐き気などの消化器系の症状があげられます。

稀に偽アルドステロン症もしくはミオパチーという重篤な副作用が発現する可能性があるので、注意してください。

偽アルドステロン症:アルドステロンとは、血圧を上昇させるホルモンです。ですが、アルドステロンが増えていないのにもかかわらず、アルドステロンが影響したかのように血圧が上昇したり、むくみが生じたりする病気のことです。

ミオパチー:筋肉に異常が生じて起こる病気のことです。

もしも、下記の症状が現れた場合は、重篤な副作用が起こっている可能性がありますので、服用するのをやめて、医療機関で医師の診察を受けるようにしてください。

症状 副作用として疑われる病気
おしっこが出にくくなる
手足や顔がむくむ
まぶたが重たくなる
手にこわばりを感じる
偽アルドステロン症
身体全体がだるくなる
手足の力が入らない
手足が引き連れを起こしやすくなる
手足がしびれる
ミオパチー

苓姜朮甘湯の飲み方

苓姜朮甘湯は、食前、もしくは食間に服用します。

食間とは、食後2〜3時間後あたりの時間帯を指します。

このように、漢方薬を服用するタイミングは食後ではありません。

間違えないようにご注意気をつけてください。

なお、苓姜朮甘湯服用するときは、水かぬるめのお白湯で飲むようにしましょう。

苓姜朮甘湯の使用上の注意点

苓姜朮甘湯を安全に服用するために、守るべき注意事項がいくつかあります。

副作用を予防するために、必ず守ってください。

飲み忘れた場合

苓姜朮甘湯は、原則的に1日3回服用する漢方薬ですが、毎日のことであっても、つい忘れてしまうこともあるでしょう。

そんな時は、飲み忘れたと気付いた時に飲んでください。

ですが、次に飲むタイミングが2時間以内に迫っている時は服用をやめましょう。

中には飲み忘れからといって、2回分を1度に飲もうとする人もいるようですが、この飲み方はダメですよ。

苓姜朮甘湯を服用する前に相談したほうがいい場合

以下に記載した項目に当てはまるような場合は、使用する前に医師や薬剤師と相談するようにしましょう。
・苓姜朮甘湯やその他の薬で、かゆみやじんましんなどのアレルギー症状が現れた経験がある人

・妊娠中、もしくは授乳中の女性

・医師から何らかの薬を処方されている人

・65歳以上の高齢者

注意するべき飲み合わせ

甘草を含む漢方薬や、グリチルリチン製剤という肝臓病の治療に使う薬を使っている人は、苓姜朮甘湯を服用する前に、医師や薬剤師と相談するようにしてください。

まとめ

いかがでしたか?

今回は、苓姜朮甘湯の効果効能・副作用について紹介してきました。

苓姜朮甘湯は、冷え性の方の足腰の痛みやおしっこが出すぎる、夜中にトイレに頻回に行くという症状に効果のある漢方薬です。

もし、このような症状に悩んでいる方は、一度、苓姜朮甘湯をお試しになってみてはいかがでしょうか。

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記事執筆・監修

国際中医美容師

運営者

漢方生薬 研究所

漢方生薬研究所のスタッフによる執筆・監修記事です。漢方をはじめ、第二類医薬品や第三類薬品、健康食品、サプリメント、遺伝子検査の情報を配信しています。

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