漢方薬・生薬

手足のしびれを治したい時に黄耆桂枝五物湯 (オウギケイシゴモツトウ)

しびれの原因は、循環器系や神経系などの要因が考えられていますが、治療法が確立されてない場合も多い症状です。

本日は、しびれの治療薬として使われる黄耆桂枝五物湯(オウギケイシゴモツトウ)について紹介します。

手足のしびれの症状と漢方薬

しびれ
しびれの原因は、大別すると「血流が関連する循環器系」と、「神経障害などの神経系」の2つが考えられます。

西洋医学では、多くのしびれに関連する病気があり、原因となる疾患の治療が必要です。

一方、重大な原因がない場合や、西洋医学で改善しない場合は漢方薬が有効です。

漢方医学では、しびれを「痺症」といいます。

その原因には、「不通則痛」と「不栄則痛」のふたつがあります。

「不通則痛」は、気、血、水のめぐりが滞るために、「不通」になり痛みが生じると考えます。

一方、「不栄則痛」は、体を構成する物質(陰、陰血)が不足するために痛みが起きると考えます。

そこで、漢方薬では、気の流れを良くして、不足するものを補い、過剰なものを取り去ることで症状を改善します。

黄耆桂枝五物湯はどんな漢方薬?

疑問 女性
黄耆桂枝五物湯は、体力が比較的低下した方のしびれに使われる漢方薬です。

からだのしびれ、手足のしびれ、口腔内のしびれなどに効果があります。

つまり、身体感覚の麻痺、しびれ、痛みを治療することのできる薬剤です。

身体感覚の麻痺は上半身、下半身を問わずに用いられます。

また、この方剤には「黄耆」が含まれています。

黄耆には、止汗、利尿、化膿止め、強壮、鎮痛などの作用があり、汗が多くでると症状が悪化するようなタイプの疾患に有効です。

黄耆桂枝五物湯に含まれる生薬

漢方
黄耆桂枝五物湯を構成する生薬は以下の5つです。

桂皮(ケイヒ)

クスノキ科トンキンニッケイやその他の同属植物の樹皮を乾燥させたものです。

「シナモン」として広く知られています。

健胃、発汗、解熱、鎮痛、整腸、駆風などに効果があります。

芍薬(シャクヤク)

ボタン科シャクヤクの根を乾燥させたものです。

熱を取り除き、血液循環を改善し、痛みを取り除く作用があります。さらに、筋肉の緊張を和らげてくれます。

大棗(タイソウ)

クロウメモドキ科ナツメの果実を乾燥させたもので、おおきなナツメという意味です。

身体をあたため、緊張を緩和する働きがあります。強壮、利尿、矯味などに効果があります。

生姜(ショウキョウ)

ショウガ科ショウガの茎根を乾燥させたものです。

身体をあたため、新陳代謝を高める作用があります。健胃、食欲増進、発汗などの作用が期待できます。

黄耆(オウギ)

マメ科キバナオウギの根を乾燥させたものです。

全身の機能を高め、寝汗を止め、皮膚を美しくし、むくみを取り除く効果があります。

副作用について

黄耆桂枝五物湯にはそれほど強くあらわれる副作用はありません。

しかし、アレルギー症状として皮膚のかゆみ、発赤、発疹などが出る場合があります。

不快な症状や、いつもと違うなど感じた場合はすぐに服用を中止し、医師や薬剤師などの専門家に相談して下さい。

しびれに処方されるその他の漢方薬

しびれに使用される漢方薬は多くあります。代表的なものをいくつか紹介します。

八味地黄丸(ハチミジオウガン)

体力は普通か、虚弱なタイプの方に向いている漢方薬です。

特に高齢者に頻繁に使用されます。

胃腸機能が健全で、腰部、下肢の脱力感、しびれ、冷え、頻尿などの改善のため使用されます。

牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)

上記で紹介した八味地黄丸に、利尿作用のある生薬が加えられた処方です。

しびれや痛み、尿量減少やむくみが強く、胃腸が正常は場合に使用される漢方薬です。

加味逍遥散(カミショウヨウサン)

体力がないタイプの方に使用します。

脈や腹力も弱く、胸のつかえや背中が急に熱くなったかと思うと急に寒くなる、というようないわゆる不定愁訴が多い場合に使用されることが多いです。

昔から、女性の心気症傾向の改善薬として使用されてきています。

桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)

生薬に牡丹皮(ボタンピ)が配合されているため、熱を冷ますような性質がありますが、同時に桂皮(ケイヒ)も配合されているため、温める性質も持っている漢方薬です。

血液の循環を改善し、しびれを取り除く働きをします。

まとめ

本日は、黄耆桂枝五物湯(オウギケイシゴモツトウ)について紹介しました。

手足や口腔内のしびれなどに用いられる漢方薬です。

しびれの原因は様々で、循環器系や神経系の原因が考えられます。

上記で紹介した以外にもホルモンバランスや更年期障害、精神的な原因も考えられます。

漢方薬を使用する場合、自分の症状の原因に合わせて最適なものを選ぶことが大切です。

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記事執筆・監修

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漢方生薬 研究所

漢方生薬研究所のスタッフによる執筆・監修記事です。漢方をはじめ、第二類医薬品や第三類薬品、健康食品、サプリメント、遺伝子検査の情報を配信しています。

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