症状から選ぶ漢方薬について!気になる体の異常やお悩みを解決
最近足がつりやすくなったり便秘や肩こりなど病院へ行くほどでもないけれど気になる体の異常はありませんか?
病院へ行っても病名が付かず、対処療法で症状を誤魔化している人もいると思います。
そんな悩める症状や体の異常を解消してくれるのが漢方薬です。
漢方薬は種類も多く難しい漢字で書いてあるのでどれがどの症状に合うか分かりませんよね。
そこで今回は症状から選ぶ漢方薬についてご紹介します。
漢方薬はどんな症状にも効果的!?
西洋医学では説明できない・病名が付けられない「未病」と呼ばれる病気があります。
未病は本人が感じる症状として存在しているのに症状が出ている西洋医学的に原因が分からないのです。
そのため西洋医学では治療が出来ないのが殆どです。
ですが漢方ではこの未病も解決できるのが強みで、漢方薬を処方する医師は年々増加傾向にあります。
なぜ西洋医学では解決できない病気も漢方では治せてしまうのか、次でその仕組みをご説明します。
漢方薬は足し算
未病に有効的とされている漢方薬もどうしてその症状に対して効果を発揮するのかなど詳しい理由は分かっていません。
この病気や症状にはこの薬が効く、こういう人にはこういう薬を合わせたほうがいいなど膨大な時間と労力をかけて積み重ねられた経験が漢方薬です。
そのため漢方薬は足し算であるという表現が良くされます。
この漢方薬ならではの性質が漢方薬選びを複雑にしている原因ともいえます。
でも未病に効果的な理由が分からないのに効果が出る漢方について信じられないという気持ちもあるでしょう。
確かに漢方は思想や哲学を元に作られていて、「気」や「ツボ」など非科学的なワードも度々登場します。
ですが漢方薬はしっかりとした実績があります。
その内容を見ていきましょう。
漢方薬はこうして作られた
漢方は紀元前2世紀前後に誕生したと言われています。
そして今日本で主流となっている漢方の元となったのは漢方について記した書物です。
その書物の中に「神農本草経(しんのうほんぞうけい)」と呼ばれる本がありました。
この神農本草経は作者も作られた時代も不明ですが、1年の日数と同じ365種類の植物・動物・鉱物が薬として集録されています。
人の体に作用する強さによって下薬・中薬・上薬の3種類に分類されています。
現在の日本でも似たような分類がされていて、医薬品は副作用などの健康被害のリスクを考慮して第一類・第二類・第三類の3種類に分けられています。
2000年以上前にすでに現在と同じような仕組みが出来上がっていたのです。
更にそれぞれの薬物について事細かな説明が書かれていただけでなく、調合した場合に効果を引き立て合うもの、効果を無くすもの、薬効が無くなるものなども記載されていました。
毒薬を使用する際は毒の効果を薄める薬剤と調合することで毒の強さをコントロールする漢方ならではの発想もあります。
ですが漢方薬は万能ではなく、病気も症状も進行して手遅れになってしまえば漢方薬を飲んでも手遅れである記述もあります。
このように漢方薬の元となった神農本草経は現代医学にも通じる内容も書かれていて、2000年以上前に漢方はすでに殆ど完成していたと言えます。
確かな実績と西洋医学以上の長い歴史のある漢方薬は胡散臭くないれっきとした医学なのです。
次は実際の症状を元にどのような漢方薬が良いのかご説明します。
症状別の漢方薬選び
漢方薬に使われる生薬は先程も軽くご紹介したように2000年以上前にすでに365種類もの種類があり、現在ではさらに数を増やしています。
その生薬の中から自分の症状に効果的なものを探すのは干し草の山から針を探す程至難の業です。
ですが、症状から検索をすればその症状に効果的な生薬を元として作られている漢方薬を容易に見つけられます。
多くの現代人が悩みを抱えている未病をピックアップし、その未病に効果的な生薬・漢方薬をご紹介していきます。
足のつり
運動しているときや寝ているときに足の筋肉がつってしまうことはありませんか?
一度つるとなかなか痛みが取れなくて嫌な思いをしますよね。
そんな足のつりに有効的なのが「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」です。
筋肉の急激なけいれんを伴う痛みのある症状に有効的です。
足がつりやすい人はこの生薬を配合している漢方薬を常備しておくといいでしょう。
便秘
女性に多い悩みとして挙げられるのが便秘です。
3日出ないことはしょっちゅうで、長い時だと一週間も出ないという人もいるほどです。
腸内環境を整える前に便を出したいと言う人は「調胃承気湯(ちょういじょうきとう)」が配合されているものをオススメします。
調胃承気湯には便を柔らかくする効果があり、腸内で固まっている便を体外へ排出するのに適しています。
さらに胃腸の調子を良くする効果もあるので、デリケートな体質の人には特にオススメです。
神経痛
神経痛は年を重ねると出てくるもので、鋭い痛みが繰り返す厄介な病です。
神経痛は慢性化しやすいと言われいて、早期治療が重要です。
雨の日や夜になると痛むなど慢性的な神経痛には「疎経活血湯(そけいかっけつとう)」がおすすめです。
関節痛や筋肉痛にも有効的で、スポーツをする人や運動すると関節が痛む人も疎経活血湯の服用が一番と言われています。
冷え性
昔は女性特有の病気として有名だった冷え性ですが、現在では男女問わず冷え性となっています。
西洋医学では未病として扱われる代表格で、漢方での治療が最も最適な病気の一つです。
手足が冷えてなかなか眠れない人には「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)がおすすめです。
血行を良くして体を暖める効果があり、冷えを解消してくれます。
またしもやけや寒さによる頭痛、腰痛にも適しています。
二日酔い
上司との付き合いや年末年始の宴会、羽目を外しすぎるなど二日酔いに悩む人は多いでしょう。
そんな二日酔いにも漢方はとても効果的です。
つらい二日酔いには水分循環を改善し、無駄な水分を取り除く効果のある「五苓散(ごれいさん)」が一番です。
はき気や嘔吐、めまい、頭痛を伴う場合でも服用できる漢方薬なので常備しておくといいでしょう。
ストレスによる不眠症
現代人は常に強いストレスにさらされていると言っても過言ではありません。
昔から病は気からと言われるほどで、精神状態は健康に大きな影響を与えます。
過度なストレスから不眠症になる人は多く、睡眠薬を処方するのが一般的です。
次の日の仕事に備えてしっかりと寝たい人には「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」が一番良いです。
神経の昂りを鎮めてくれる作用があり、普段からイライラしやすい人や寝る前にいろいろ考えてしまう人は特に効果的です。
ストレスによる不眠だけでなく、更年期障害の人にも効果がある漢方薬です。
肩こり
デスクワークの人や接客業の人も悩む肩こりは様々な肩こり解消グッズが販売されるほど悩む人は多いです。
肩こりは肩の筋肉が緊張して血液の流れが悪くなっていることで起こるのが主です。
肩こりは慢性化しやすく、悪化すると頭へ上る血液の通りも邪魔してしまって頭痛や吐き気、めまいなども併発します。
そんな肩こりに有効なのが「独活葛根湯(どっかつかっこんとう)」です。
血流を良くするだけでなく、痛み止めとして作用する生薬も配合されています。
肩回りが重いなと感じる四十肩や五十肩にもぜひこの漢方薬を試してみてください。
動悸・息切れ
なんだか疲れやすくて食欲もない状態ではありませんか?
動くとすぐに息切れや動悸が激しくなってしまう疲れやすい体は「身体虚弱」という状態です。
身体虚弱は立派な症状で、放っておくと様々な病気を発症してしまいます。
体力が低下して食欲もないと言う人にぜひ飲んで頂きたいのが「人参養栄湯(にんじんようえいとう)」です。
体力と気力を補って元気を取り戻す手助けをしてくれます。
滋養強壮作用のある生薬を中心に配合し、その生薬を助けるように血行を良くする成分も配合しています。
なんだかだるい、動けなくなったなど体の不調が出て来たらぜひ飲んで元気をつけてください。
めまい
突然立つとくらくらしたり耳鳴りがしたり歩いているとふらついてしまう人は「めまい」です。
忙しい状態が続いて疲労が蓄積していたり、強いストレスを受けるとバランス感覚の異常や歩行困難といった症状が出てきます。
めまいや立ちくらみには「苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)」が非常に有効的です。
この苓桂朮甘湯は体内の水分を循環させてめまいの原因となる水分異常を取り除きます。
めまいの症状が出ている人は携帯しておくようにしましょう。