頭痛には漢方薬の服用が効果的!?隠された真実
季節の変わり目や天気が悪い日、生理前、風邪の引きはじめなどに起こる頭痛。
慢性化しているものから急性のものまで様々な種類があります。
そんないろんなタイプがある頭痛に、特にオススメなのが漢方薬です。
自分の体質・体調・年齢・性別・症状の出方などを考えながらチョイスする漢方薬は、頭痛に悩む人にはピッタリです。
今回は、頭痛に役立つ漢方薬について紹介していきます。
頭痛の原因とは?
頭痛は日本人の3人に1人は頭痛持ちと言われているとても身近な病気です。
頭痛はその場しのぎで放置して過ごす人も多いのではないでしょうか。
頭痛には大きく分けると2種類の原因があります。
脳の血管が広がって神経を圧迫する「片頭痛」と頭の周りの筋肉が緊張することで痛みが出る「緊張型頭痛」です。
まずはこの2つの原因から解説していきます。
片頭痛
片頭痛は脳の血管が急激に拡張することで三叉神経と呼ばれる神経を刺激することで痛みが出てきます。
一般的に強いストレスから解放された時、リラックスすると急に血管が拡張することが主な原因ではないかと言われています。
その他にも過眠・不眠、ホルモンバランスの乱れ、空腹、疲労、冷え症なども片頭痛の原因ではないかと考えられています。
緊張型頭痛
文字通り頭の横の筋肉や肩、首の筋肉が緊張することで起こる頭痛です。
首やその周辺は血管が沢山流れていますが筋肉が緊張してしまうと血行が悪くなり、筋肉内に老廃物が蓄積されてしまいます。
この溜まった老廃物が周囲の神経を刺激して痛みが起こると言われています。
肩がコリやすい人やデスクワークなどであまり体を動かさない人は要注意です。
さらにうつ病といった精神的なストレスからも筋肉がこわばって血行が悪くなるケースも考えられます。
精神的症状がある人は片頭痛と緊張型頭痛の2種類を併発している場合もあります。
頭痛の治し方
頭痛はどのように対処すると良いのでしょうか。
西洋医学では頭痛の症状には鎮痛剤など対症療法が基本となっています。
完治をするのは難しいのが現実です。
そこで注目して頂きたいのが漢方医学です。
漢方医学は西洋医学では解決の出来ないような症状も緩和できることがあります。
では、さっそくなぜ漢方薬が頭痛に効くのか詳しく解説していきます。
漢方薬が頭痛に効く理由
漢方薬が頭痛に効くとあまり知られていませんが、特に慢性化する頭痛にオススメです。
痛みを感じた時に鎮痛剤を飲み過ぎてしまうと、逆に薬物乱用頭痛引き起こしてしまうこともあります。
しかし、漢方医学では体質を改善することで頭痛を減らすように考えるため、長期的に服用しても薬物乱用性頭痛を起こす恐れはありません。
鎮痛剤のように即効性はありませんが、漢方薬を使う方が長期的にみると有効な改善策になるかもしれませんね。
この生薬が重要!?
漢方薬は2種類以上の生薬が組み合わせられています。
頭痛のための漢方薬には、たくさん種類があります。漢方薬を選ぶ時には含まれている生薬に注目してみましょう。
漢方薬に配合されている生薬は市販のサプリメントにも配合されているケースも多く存在します。
そのため生薬の特徴を理解することは漢方薬を選ぶためでだけなく、サプリメント選びにも応用がききます。
様々な場面でよく使われる生薬をご紹介します。
冬虫夏草(トウチュウカソウ)
昔の中国で不老長寿の秘薬として扱われてきた生薬です。
非常に貴重な生薬で、皇帝クラスの人しか口にできませんでした。
冬虫夏草はキノコが昆虫などに寄生して体内に菌糸の集合体を形成したものです。
名前の由来は冬は虫で夏になると草になったことから命名されました。
しかし非常に高価なもので、医療用漢方薬では滅多に見ない生薬です。
様々なものに応用の効く生薬ですが、サプリメントに配合されていることが多いです。
桂皮(ケイヒ)
桂皮はクスノキ科の木が原料の生薬です。
香辛料として有名な「シナモン」のイメージが強いのではないでしょうか。
先程ご紹介した冬虫夏草よりも一般的で、数多くの漢方薬に使われています。
比較的即効性のある、風邪や頭痛などを目的とした漢方薬に含まれることが多いです。
体を温め血行を改善するため、現代人の様々な不調の改善に役立ちます。
桂皮が含まれるものは、一般的に使いやすいかもしれませんね。
頭痛に効果的な漢方薬
実際に漢方薬を試したいが、どういったものを選べばいいのか全く分からないと言う人がほとんどだと思います。
名前も難しくどんな効果なのか想像が出来ないのが難点です。
そこで頭痛に効果的な漢方薬を詳しい効能と共にご紹介します!
ぜひご自身の漢方薬選びに役立ててみてください。
呉茱萸湯(ゴシュユトウ)
どちらかというと片頭痛に有効的な薬で、身体を温めて繰り返し起こりやすい頭痛を鎮めてくれます。
ズキズキと痛んだり吐き気を伴うほどひどい頭痛にはこの漢方薬を試してみてください。
片頭痛だけでなく緊張型頭痛でも、うなじや肩周りのコリに悩む人にもオススメです。
体力が低下していても服用可能な体に優しい漢方薬です。
配合されている生薬
- 呉茱萸(ゴシュユ)
- 人參( ニンジン)
- 大棗(タイソウ)
- 生姜(ショウキョウ)
桂枝人参湯(ケイシニンジントウ)
胃腸の機能を高めたり頭痛を鎮める効果があります。
冷え症や冷えによる腹痛の症状が出ている人にもオススメです。
体を温める効果があるので血行が悪くなりがちな人には特にオススメです。
体がかなり弱った状態の時にも有効なので、常備薬の一つとして保管しておいても良いと思います。
配合されている生薬
- 桂皮(ケイヒ)
- 人参(ニンジン)
- 蒼朮(ソウジュツ)または白朮(ビャクジュツ)
- 乾姜(カンキョウ)
- 甘草(カンゾウ)
葛根湯(カッコントウ)
風邪薬としても有名な漢方薬ですが、肩こりや頭痛にも効能があります。
体を温め発汗を促したり体の熱や腫れ、あるいは痛みを発散して治してくれます。
頭痛のズキズキとした痛みも鎮めてくれるので、片頭痛・緊張型頭痛両方に効果が期待できます。
配合されている生薬
- 葛根(カッコン)
- 麻黄(マオウ)
- 桂皮(ケイヒ)
- 芍薬(シャクヤク)
- 甘草(カンゾウ)
- 大棗(タイソウ)
- 生姜(ショウキョウ)
五苓散(ゴレイサン)
雨の日に頭が痛くなる人はこの漢方薬がオススメです。
五苓散は水滞と呼ばれる水が上手く循環していない状態によく使う漢方薬で、低血圧で頭痛もちタイプにオススメです。
頭痛以外にもめまい、吐き気、嘔吐、急性胃腸炎、二日酔いにも効能があるので常備していたい漢方薬の一つです。
妊婦さんのむくみ改善薬として処方されることもある漢方薬なので、胃が弱くて心配な人も服用できます。
配合されている生薬
- 猪苓(チョレイ)
- 茯苓(ブクリョウ)
- 蒼朮(ソウジュツ)または白朮(ビャクジュツ)
- 沢瀉(タクシャ)
- 桂皮(ケイヒ)