清上防風湯は?その効果や副作用を知っておこう
清上防風湯はあまり聞きなれない漢方で、知っている方も少ないと思います。
ここでは清上防風湯の効果や副作用について書いていきます。
ぜひ参考にして下さいね。
清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)とは?効果は?
清上防風湯は
「赤くて炎症のあるニキビ」に効果を発揮します。
漢方でニキビは体の顔や頭に熱が溜まり、炎症が起きているということを表します。
このようなニキビの炎症は移動性(風邪)や炎症で、赤くなったり膿をもつ(熱邪)ことで起こると考えられていて、清上防風湯は、熱を清するつまり冷まして皮膚の炎症を改善するという意味があります。
体力が中程度以上の方で赤ら顔、またはのぼせがある場合に処方されます。
ニキビの他に
- 顔面・頭部の湿疹
- 皮膚炎
に効果があります。
ツムラや小太郎漢方からも販売されていて、成人は1日7.5gを2~3回に分けて食前または食間に服用します。
清上防風湯に配合されている生薬をチェック
清上防風湯には12種類の生薬がバランスよく配合されています。
ここでは12種類の生薬について見ていきます。
①黄ごん(おうごん)
シソ科コガネバナの根の周りの皮を除いて乾燥したものです。
細菌が出す毒素によって起こる腸粘膜の炎症を改善したり、肺の熱を取り去る作用があります。
抗菌作用、解熱、抗アレルギー、解毒作用があります。
②桔梗(ききょう)
キキョウ科キキョウの根を乾燥したもので、止咳、去痰、排膿の効果があります。
韓国ではキムチや塩漬けにして食べられています。
③山梔子(さんしし)
アカネ科クチナシの果実を乾燥したもので熱を取り除いたり、消炎効能があり、熱症状やのぼせ、イライラ感や不眠に使用されます。
④川芎(せんきゅう)
セリ科センキュウのひげ根を取り除いた根茎を湯通しして乾燥したものです。
血行を促進して血液を活気付ける作用があり、鎮静、補血、鎮痛、強壮に効果があります。
⑤浜防風(はまぼうふう)
セリ科ボウフウ属のハマボウフウの草の根や茎を乾燥したもので、消炎や解熱、利尿作用に優れています。
⑥白芷(びゃくし)
セリ科ヨロイグサの根を乾燥したもので、解表や止痛、排膿作用があり、頭痛や鼻炎、下痢、湿疹に使用されます。
⑦連翹(れんぎょう)
モクセイ科レンギョウやシナレンギョウの果実を乾燥したもので、清熱、解毒効能があり、熱性疾患や化膿している皮膚病に使用されます。
⑧黄連(おうれん)
キンポウゲ科セリバオウレンなどの根茎を乾燥したもので、胃の熱を取り去る作用があります。消炎や止血、精神不安に効果があります。
⑨甘草(かんぞう)
マメ科カンゾウ属植物の根や根茎を乾燥したもので、緊張を緩和させる作用があります。鎮痛、鎮痙、鎮咳効果があります。
多くの漢方に配合されていて、甘みを出すために使われます。他の薬剤の効能を上げる力があります。
⑩枳実(きじつ)
ミカン科ダイダイまたはナツミカンなどの未熟果実を乾燥したもので、健胃、通便効能があり、膨満感や腹痛、便秘に使用されます。
⑪荊芥(けいがい)
シソ科ケイガイの花穂を乾燥したもので、消腫、止血効能があり、風邪や発熱、腫れ物に使用されます。
⑫薄荷(はっか)
シソ科ハッカ属の地上茎を乾燥したもので、清涼、発散、感冒、皮膚疾患などの改善に効果を発揮します。
清上防風湯の副作用は?
清上防風湯は
- 偽アルドステロン症
- ミオパチー
- 肝機能障害
といった重篤な副作用の報告がありますが、これらが起こるのは本当に稀なので過度に心配する必要はありません。
この3つについてはこちらの記事を参考にして下さい。
その他には
- 腹痛
- 便秘
- 下痢
- 腹部膨満感
これらを繰り返す「腸間膜動脈硬化症」というのがあります。
さらにアレルギー反応で蕁麻疹や発疹などが報告されています。
服用していて少しでもおかしいな思ったら、すぐ服用を中止して医師の診察を受けましょう。
まとめ
今回はニキビに効果のある漢方の清上防風湯について書いてきました。
もし処方された場合は、医師の指示に従い、用方・用量をしっかり守って服用しましょう。
さらに、体調がおかしいなと感じたら、すぐに服用を中止して医師の診察を受けましょう。