てんかんの症状や原因は?対処法や片頭痛とも関係あり!
「てんかん」という疾患はご存知ですか?
聞いたことあるけで、よく知らないという方も多いのではないでしょうか?
今回はてんかんについて詳しく書いていきます。
てんかんとは?
てんかんは脳の疾患(障害)で、大脳の神経細胞が過剰に興奮することで起こります。
子供から大人までかかる疾患で、年齢、性別に関係はありません。
今現在日本には100万人のてんかん患者がいると言われていて、100人に1人の割合でてんかんがあるというデータもとても身近な疾患です。
てんかんは時間や場所は関係なく起こるため、怪我や大きな事故につながる可能性もあります。
ここからはてんかんについて更に詳しく掘り下げていきます。
てんかんの対処には周りの理解・協力が必要不可欠です。
自分には関係ない話とは思わず、自分の子供、友人がてんかんを持っている、さらにはてんかんの発作が目の前で起こったときにどう行動すればいいのか、しっかり確認しておきましょう。
てんかんの原因は?
てんかんの原因の前に、実はてんかんは
・持続性てんかん
・症候性てんかん
に分かれます。
持続性てんかんの原因は、未だはっきりわかっていません。
検査をしても異常が見つからず、生まれたときからてんかんになりやすい傾向があるといわれています。
てんかんは遺伝しないといわれていますが、この持続性てんかんに関しては遺伝説もあります。
そして症候性てんかんは、脳に障害やダメージが起こたときに起こるてんかんです。
出生時に脳が傷つく、髄膜炎になった、低酸素、脳炎、脳梗塞、脳外傷、アルツハイマーが原因で起こります。
てんかんの発作は2つのタイプあり!症状は?
てんかんの発作は2つのタイプがあり、症状も異なります。
ここではてんかんの発作について詳しく見ていきましょう!
1.部分発作
部分発作は、脳の一部神経細胞が過剰に興奮することで起こる発作です。
発作時に意識があり状況が把握できる場合を「単純部分発作」といい、意識障害があるものを「複雑部分発作」と言います。
単純部分発作はさらに以下4つの発作に分類出来ます。
●運動発作
・体が痙攣する
・体がしびれる
・手足や顔がつっぱる
・脈絡のない言葉を言う
●感覚発作
・めまい
・聴覚、視覚、嗅覚の以上
●精神発作
・記憶障害
・不安感や恐怖感を感じる
・錯覚や幻聴
●自律神経発作
・頭痛
・嘔吐
・失禁
単純部分発作でも発作後に意識障害が起こることもあり、複雑部分発作に移行する場合もあります。
複雑部分発作には
・意識がないまま歩きまわる
・急に動作が止まる
・ぼーっとしたまま動かない
・手をたたく
という発作症状がみられます。
複雑部分発作は意識障害を伴うので、発作中の記憶がない場合もあります。
2.全般発作
全般発作は部分発作と違い、脳全体の神経細胞が過剰に興奮することで発作が起こります。
般発作の場合、意識障害ではなく「意識消失」も発生します。
さらに、最初に部分発作から始まり、全身発作に発展する二次性全般化発作というものもあります。
全般発作は4つの発作に分類されます。
●失神発作
・意識の消失
・意識がはっきりしない
●ミオクロニー発作
・一部の筋肉がピクッと瞬間的に動く
●強直発作
・全身のこわばり
●強直間代発作
・全身のこわばりと痙攣
●脱力発作
・全身の力が抜けて立っていられなくなる
上記のてんかんの種類を含め、さらに上で紹介した持続性てんかんと症候性てんかんを合わせることで、てんかんには4種類に分けられます。
●特発性局在関連てんかん(突発性部分てんかん)
脳に病状はなく、脳の一部の神経細胞が異常に興奮して起こるものです。
幼児期から学童期に多く発症するてんかんで、成長とともに自然と治るものが多いです。
●突発性全般てんかん
突発性てんかんも脳に病状は見られません。
脳全体の神経細胞が異常に興奮して起こるもので、小児期から思春期にかけて発症します。
25歳以上で発症することはほとんどありません。
薬物療法が効果的で、薬をしっかり飲み続ければ発作を抑えることが出来ます。
●症候性局在関連てんかん(症候性部分てんかん)
症候性局在関連てんかんは、脳にてんかんの原因となる病気があると考えられています。
病気が原因なので、年齢性別問わず発症します。
まずはてんかんの原因の病気を特定することが大切です。
●症候性全般てんかん
脳のにてんかんを引き起こす原因となる病気があり、全般発作を起こすてんかんです。
幼児期や思春期に発生し、発生頻度も多いです。
この症候性てんかんを繰り返すと、知的発達に影響があるといわれています。
てんかんと間違えやすい疾患とは?
実はてんかんだと思ったら違う疾患だったということはよくあります。
ここでは間違いやすい疾患を書いておきますが、素人判断では難しいので病院を受診して検査することをおすすめします。
①熱性けいれん
熱性けいれんとは、生後6ヶ月~5歳の乳幼児に多くみられるもので、38℃以上の発熱が原因で1~3分以内の痙攣が起こります。
痙攣自体は一過性のものですが、発熱するたびに痙攣を起こす場合もあります。
てんかんと違うのは、発熱時に起こるということです。
てんかんは発熱時以外にも発作が起こります。
しかし、熱性けいれんが発生したあとに、てんかんが発症する場合もあり、その原因は未だわかっていません。
②心因発作
ストレスや、精神的問題が原因となりてんかんのような発作を起こします。
区別がつきにくいですが、発作のたびに違う症状が出る、誰もいないところでは発作が起こらないという場合は心因発作の可能性があります。
脳波を検査することで診断がつきます。
③急性脳症・髄膜炎
急性脳症とはウィルス感染し脳にむくみが生じて意識レベルが低下していく病気です。
意識障害、痙攣、嘔吐、呼吸の変化があります。
一方で髄膜炎は、脳や脊髄を覆っている髄膜が炎症し、高熱、頭痛、嘔吐、けいれん、意識障害が起きます。
どちらもてんかんと似た症状がありますが、検査をすればウィルス感染か、または細菌感染かがわかります。
目の前でてんかんが起こった!対処法は?
てんかんが起こると、本人はどうすることもできません。
そこで周りの理解と対処がとても大切になります。
ここではてんかんの発作が目の前で起こったときの対処法を書いておきます。
①周りの安全確保
てんかんかもしれないと持ったら、手足が動いたときにぶつけて怪我をしなうように、周囲の安全確保をしましょう。
倒れたときは、頭の下にやわらかいものを入れ、頭を支えましょう。
②押さえつけない
無理に痙攣を抑えつける、意識がないうちに薬を飲ませるということはしないでください。
発作は無理矢理抑えたところで止まりません。
さらに薬を無理矢理飲ませるとむせたり、のどに詰まってしまう危険があります。
③発作が起きた時の状況を記録
発作の状況を記録しましょう。今は携帯電話の普及により動画を撮影することも可能です。
医師に見せることができるので、非常に役に立ちます。
④3分以上発作がおさまらない場合は119番
発作が始まってから3分以上たった、何度も繰り返す場合はすぐ119番しましょう。
そのほかにも様子がおかしい、発作がひどい場合、自分では判断を迷うときは救急車を呼んでください。
てんかんの予防方法は?
てんかんは原因がはっきりとわかっていません。
しかし、今現在までわかっているてんかんの予防法を3つ書いておきます。
①決められた薬はきちんと服用する
てんかんを持っている方は、薬が処方されていると思います。
まずはその薬は医師の指示通りしっかり飲むようにしましょう。
しっかり飲むことで発作を防ぐことが出来ます。
②睡眠をしっかりとる
睡眠不足はてんかんの発作の起因になると考えられています。
忙しく緊張しているときは、発作は起きませんが、ひと段落すると発作が起きやすくなる傾向にあります。
日ごろから睡眠不足にならないように、さらに睡眠の質を上げましょう。
③ストレスをためない
てんかんの原因にストレスや過労が挙げられています。
そこでストレスを体に蓄積させないことをここがけましょう!
毎日15分程度の運動をするのでもいいですし、休みの日には自分の趣味や友人と出かけるなどしてストレスフリーを目指しましょう。
片頭痛とてんかんには密接な関係あり!
実は片頭痛とてんかんには密接な関係があるのは知っていますか?
上記で原因不明のてんかんを持発性てんかんと書きました。
この持発性てんかんが片頭痛と合併しやすいと言われています。
さらにてんかんで使用される薬は片頭痛の治療にも使われるものが多く、切っても切れない存在なのです。
片頭痛で起こるてんかんは、頭痛の発作中または頭痛の発作後に起こります。