病気・未病

漢方薬で冷え症は改善できる!?病名の付かない未病と戦う方法

西洋医学では病名のつけられない未病の代表格として君臨しているのが「冷え症」です。

手足の冷えに始まり、腰や膝などにも痛みが出てきます。

女性に多い症状と言われていましたが、現代の人々は男女問わず冷え症を抱えていると言われています。

そこで今回は漢方薬で冷え症を改善する方法をご紹介します。

冷え症のメカニズム

冷え性の女性
そもそも冷え症はどうして起こるのでしょう。

私たちの体は脳にある体温調整中枢によって体温が管理されています。

体温は筋肉や内臓を動かすことでつくられています。

運動すると汗をかくほど暑くなるのは筋肉が活発に動いて熱を発しているからです。

また、寒い時にガタガタ震えるのは筋肉が必死に動いて熱を生み出しているのです。

このように様々な要因で体温は上昇・下降を繰り返していて、ずっと一定というわけではありません。

この体温調整のバランスが崩れてしまうと体や顔は火照っているのに手足は氷水に浸けた後のように冷たい状態になることがあります。

ではなぜ体温調整が上手く出来なくなってしまうのでしょう。

次で詳しく解説します。

「冷え」の原因

冷え症の原因はいくつかありますが、原因の一つとして多いのは血流が悪くなっている状態です。

立ち仕事やデスクワークを長時間行っていると血液の流れが悪くなってしまいむくみの原因となることは知られています。

実はむくみだけでなく冷え症も併発してしまうことがあるのです。

更に冷房の効きすぎる場所に長時間いたり、体を圧迫するような衣服を着用していると血流が滞ってしまいます。

とにかく冷え症対策には血液の流れを良くすることが第一に考えられるのです。

また、ストレスも冷え症の原因として考えられていて、自律神経の乱れが冷え性を招いていると言われています。

現代人は強いストレスに晒されていて、知らぬ間に冷え症となっている場合もあります。

本当は怖い冷え症

皆さんは冷え症は体の一部が冷えるだけだと思ってはいませんか?

冷え症は確かに体の一部が冷える症状ですが、放っておくと様々な病気を引き起こしてしまいます。

女性の場合は月経不順や無月経、月経前症候群、不妊症、更年期障害を併発しやすいです。

さらに不眠症や頻尿、腰痛、肩こり、膀胱炎、下痢なども起こりやすくなるとても恐ろしい症状なのです。

冷え症は病気でもないし、放っておこうなどと軽く考えていると取り返しのつかないことになりかねません。

ちょっと手足が冷えやすいかな?と思ったらすぐに対策してみましょう。

具体的な対策を次で解説します。

冷え症対策は漢方で決まり!

漢方薬

私たちに一番馴染みがある医学は「西洋医学」ですが、症状のみで病名が付けられない病気の一歩手前の状態が存在します。

それを「未病」と呼び、西洋医学では対応しにくい事が多々あるのです。

冷え症もこの未病で、西洋医学での治療は難しいのです。

そんな未病にも効果的なのが漢方医学で、冷え症ととても相性がいいのです。

冷えを感じたら漢方薬に頼ってみましょう。

今回は冷え症に効果的な漢方薬を症状や体質別に分けて詳しくご紹介します。

自分の冷え症に一番合った漢方薬を見つけてみましょう。

五積散(ごしゃくさん)

この漢方薬は元気はあるけれど慢性的な冷えに悩む人に処方されます。

胃腸の動きを活発にさせるとともに血行・水分循環を改善して体全身を温めてくれます。

冷え症のほかには腰痛や関節痛、神経痛にも有効です。

さらに生理痛にも効果があるので冷え性と生理痛に悩む人は最適な漢方薬です。

体を温める様々な効果を持った生薬が沢山配合されている漢方薬となっています。

配合されている生薬
  • 蒼朮(ソウジュツ)
  • 陳皮(チンピ)
  • 当帰(トウキ)
  • 半夏(ハンゲ)
  • 茯苓(ブクリョウ)
  • 甘草(カンゾウ)
  • 桔梗(キキョウ)
  • 枳実(キジツ)
  • 桂皮(ケイヒ)
  • 厚朴(コウボク)
  • 芍薬(シャクヤク)
  • 生姜(ショウキョウ)
  • 川きゅう(センキュウ)
  • 大棗(タイソウ)
  • 白シ(ビャクシ)
  • 麻黄(マオウ)

呉茱萸湯(ごしゅゆとう)

冷え症と共に偏頭痛も併発している人に処方されます。

体力が低下していて、元気のない人用に作られているので体が弱っていても服用可能です。

身体を温める効果で手足の冷えを解消するとともに吐き気を伴うほど激しい頭痛にも効果があります。

肩やうなじ周りのコリ解消や緊張型頭痛にも使われている漢方薬です。

頭痛と冷えに有効であると覚えておきましょう。

配合されている生薬
  • 呉茱萸(ゴシュユ)
  • 人參( ニンジン)
  • 大棗(タイソウ)
  • 生姜(ショウキョウ)

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

産婦人科でも処方される三大漢方薬の一つで、血を失いやすい(貧血症状)女性に最適な漢方薬です。

その効果は体を温めて冷えを解消するのはもちろんで、月経不順、月経異常、月経痛に頻繁に用いられています。

そのほかにむくみや耳鳴り、しもやけめまい、立ちくらみといった症状にも効果があります。

比較的体力の衰えている人に処方される漢方薬です。

冷え性と共に女性特有の月経痛などに悩む人はぜひこの漢方薬を試してみてください。

配合されている生薬
  • 当帰(トウキ)
  • 川きゅう(センキュウ)
  • 芍薬(シャクヤク)
  • 蒼朮(ソウジュツ)または白朮(ビャクジュツ)
  • 沢瀉(タクシャ)
  • 茯苓(ブクリョウ)

大建中湯(だいけんちゅうとう)

身体が冷えやすくてすぐにお腹を壊してしまう人にオススメなのがこの漢方薬です。

お腹を中心に体を温めて腹痛やお腹の張りを和らげるとともに冷え性も改善してくれます。

胃腸の手術後の内服薬としても処方される程体に優しいのでお腹を壊しやすい人でも安心して服用できます。

漢方薬としては珍しく即効性があるので急な腹痛にも対応出来ます。

冷えと下痢や腹痛に悩む人はぜひこの漢方薬を試してみてください。

配合されている生薬
  • 人参(ニンジン)
  • 山椒(サンショウ)
  • 乾姜(カンキョウ)
  • 膠飴(コウイ)

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

人体を構成する上で欠かせない「血」のバランスを整えてくれる代表的な漢方薬です。

女性に処方されることが多く、ホルモンバランスの乱れを整える効果があるので女性の更年期障害に適しています。

さらに炎症を鎮める効果もあるので子宮内膜症にも使われています。

血行を良くして熱のバランスを整える効果があるのでもちろん冷えやそれに関連する症状にも効果があります。

元気はあるけれど更年期障害に悩む女性に特にオススメな漢方薬です。

配合されている生薬
  • 桂皮(ケイヒ)
  • 芍薬(シャクヤク)
  • 茯苓(ブクリョウ)
  • 桃仁(トウニン)
  • 牡丹皮(ボタンピ)

当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)

冷え症改善の代表的な漢方薬で、慢性化してしまった冷えにも効果があります。

末端から冷えてくる末端冷え症の人にとくにオススメで、冷え症がひどくても効果を発揮してくれます。

さらに冷えを原因とした腹痛や頭痛、しもやけなどにも効果があるので、とりあえずこの漢方薬を服用しておけば間違いはないでしょう。

冷え症以外には月経痛の症状にも効果があります。

配合されている生薬
  • 当帰(トウキ)
  • 桂皮(ケイヒ)
  • 芍薬(シャクヤク)
  • 細辛(サイシン)
  • 呉茱萸(ゴシュユ)
  • 生姜(ショウキョウ)
  • 木通(モクツウ)
  • 大棗(タイソウ)
  • 甘草(カンゾウ)

温経湯(うんけいとう)

脈やお腹が弱い人に処方される漢方薬で、血が不足しがちな女性がメインとなっています。

血液循環を良くして体を温めてくれるだけでなく、水分もしっかりと皮膚の隅々まで運んでくれるので肌の乾燥や肌荒れといった皮膚トラブルにも有効で、乾燥しがちな冬に飲むとより効果を発揮してくれます。

さらにホルモンバランスを整える効果も期待でき、不妊症の女性にも処方されています。

乾燥と冷えが気になる人はこの漢方薬を服用してみましょう。

配合されている生薬
  • 麦門冬(バクモンドウ)
  • 半夏(ハンゲ)
  • 当帰( トウキ)
  • 甘草(カンゾウ)
  • 桂皮(ケイヒ)
  • 芍薬(シャクヤク)
  • 川きゅう(センキュウ)
  • 人参(ニンジン)
  • 牡丹皮(ボタンピ)
  • 呉茱萸(ゴシュユ)
  • 生姜(ショウキョウ)
  • 阿膠(アキョウ)

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記事執筆・監修

漢方薬剤師/薬膳料理家/国際中医師/国際中医美容師

大久保 愛

「アイカ製薬」代表取締役。
秋田の自然で薬草や山菜を採りながら育ち漢方や食に興味をもつ。薬剤師となり中国の北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て漢方・薬膳の専門家として商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。

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